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ある日の放課後、僕は生徒会室でシャーリーと一緒に書類に目を通していた。 「今日は他に誰も来ないのだろうか。ミレイさんが家の用事で先に帰るのと、スザクが軍の仕事で来られないのは、昨日聞いたが」 僕がそう言うと、シャーリーが顔を上げて答える。 「えっとね、ニーナは大学の研究室に用事があるみたい。カレンは何も聞いていないけど、多分病院じゃないかなあ。もしかしたら、遅れて来るかもしれないけどね」 「なるほど。じゃあ、ルルーシュとリヴァルは?」 僕が二人の名前を出した途端、シャーリーの表情が不機嫌そのものになる。 「ああ、さっきリヴァルのバイクに二人仲良く乗って、どこかへ行っちゃった。どうせまた、賭けチェスだと思うけど。 まったく、『仕事があるんだから残って』って休み時間に声をかけておいたのに」 「適当にはぐらかされてしまったのか、君も大変だったな」 僕が苦笑いすると、シャーリーは肩をすくめた。 「うん、まあね。だから助かったよ、ライ君がいてくれて。君は仕事が正確で速いから、二人で頑張ればきっと今日中に片づくよ」 「僕自身は、自分のことは大したことないと思っているんだがな。だが君に期待されている以上、全力は尽くそう」 僕たちは笑い合うと、再び仕事に取り掛かった。 それからしばらく時間が過ぎた頃、ある程度仕事を片づけた僕たちは、少し休憩することにした。 「あっ、そうだ。ライ君に聞きたいことがあるんだけど」 机を隔てた僕の向かい側の椅子に座って伸びをしながら、シャーリーが声をかけてきた。 「聞きたいことって何だ?答えられる範囲なら答えるが」 「ありがとう。じゃあ早速なんだけど、最近カレンとはどうなのかな?」 「カレンと?うーん」 興味深々のシャーリーに聞かれ、僕は考えた。カレンには学園でお世話係主任として関わってもらっているだけでなく、最近では黒の騎士団における仲間として、背中を預け合っている。 シャーリーに騎士団のことは話せないが、この場合、「カレンとは互いに信頼し合っている」とでも言えばいいのだろうか。 「まあ、互いに信頼し合えるいい関係だと思う。彼女には色々と世話になっているし、いくら礼を言っても言い尽くせないかもな」 「へえ、そうなんだ。友人としては、結構いい感じみたいだね。じゃあさ、一人の女の子として彼女のことはどう思う?」 「女の子として?」 シャーリーに次の質問をされ、僕は再び考える。この質問の意図としては、「カレンは僕から見てどんな女の子か」ということを指すのだろうか。 まさか「男勝りで熱血で、玉城におちょくられたら拳で応える元気な子だ」なんて、口が裂けても言えないよな。 「そうだなあ。やはりお嬢様らしくおしとやかで、一見近寄りがたい所もあるけれど、実は面倒見のいい優しい人だと思う。多くの男子に人気があるのも頷ける」 「うーん、私が聞きたいのはそういうことじゃないの。あっ、でもライ君ってそういうのに鈍感っぽいから、わかるかなあ」 シャーリーが首を横に振った後、一人で何か言っている。何か、あまりいい印象を与えないっぽい言葉が出た気もするんだが。 「じゃあ、どういう意味で聞いたんだ?」 「あ、うん。えっとね、その…カレンのことをす……」 少し恥ずかしそうに言葉を紡いでいたシャーリーの動きが、突然ピタッと止まる。そして何やら、自分の足元付近を見回している。 「ん?どうしたんだ」 「う…嘘。でも今のって確かにアレ、だよね?」 「いや、アレと言われても」 シャーリーが机の下で何を見つけたのかわからず、僕が足元に視線を移した時だった。 「きゃあああっ!」 「うわっ、シャーリー!?」 突然シャーリーが悲鳴を上げ、椅子から転げ落ちた。僕はあわてて椅子から立ち上がり、シャーリーの近くに駆け寄る。 「シャーリー、どうしっ……」 僕が駆け寄ると、椅子が横倒しになり、その隣でシャーリーが床にへたり込んでいた。その綺麗な脚をこちらに向け、微妙に開いた状態で。 丈の短いスカートの中が見えそうになり、僕は瞬時に目をそらす。 「で、で、出たの!ゴキブリ!」 「ゴ、ゴキブリ?」 僕は周囲を見渡すが、床の上にはそれらしき生物はいない。 「別にいないぞ」 「本当だよ、本当に黒い虫がいたんだってば!こっちの方も見てよ!」 「いや、『こっち』というのが君のいる方向だというのは理解できるが、その……」 僕は相変わらずシャーリーから視線をそらし、少し熱くなった頬を指で掻きながら指摘する。 「学園のスカートは、結構短い。仮にも男の前でその姿勢でいるのは、そろそろ…だな」 「え?……きゃあっ!」 自分の姿勢に気づいたシャーリーが、あわててスカートを上から押さえながら、床に座り直した。そして顔を真っ赤にしながら、僕に尋ねてくる。 「もしかして、見ちゃったとか?」 「いや、それはない。断じて見ていないから、安心してくれ」 一瞬白い布状の物が見えなかった気がしないでもないが、シャーリーのためにこの記憶は全力で抹消しよう。 「しかし、ゴキブリなんてどこから入ったんだ。学園内は結構綺麗だと思うんだが」 その後、僕はシャーリーと隣り合って椅子に座っていた。彼女の気持ちも、少し落ち着いてきたらしい。 「どうなんだろうね。でもゴキブリって、一応飛ぶんでしょ?校舎のどこかの窓が開いている隙に、そこから入ったのかも」 「可能性はないとは言えないな。しかしすごい驚きようだったが、ゴキブリは苦手か?」 僕が尋ねると、シャーリーは顔をしかめて答えた。 「当然だよ、大嫌い。何だか黒光りして、気持ち悪いじゃない。あんなゾッとするような虫を好きな人なんて、いないんじゃないかな」 「随分な言いようだな。そこまで言うなら、やはりゴキブリは多くの人から嫌われ…いや、ごくまれにそうじゃない人もいるかもしれないんだろうけど」 一瞬卜部さんのことを思い浮かべ、僕はシャーリーに完全に同意するのをやめた。あの人の場合、虫という虫が好きだからな。それこそ、胃袋に収めてしまうくらいに。 「でも困ったなあ。ゴキブリがいると思うだけで、仕事に集中できないよ」 シャーリーが、困り顔で言う。 「よし、僕が捕まえよう。確か殺虫剤があったよな」 僕がそう言って、椅子から立ち上がった瞬間だった。僕たちの足元を、黒い何かが横切っていく。間違いない、ゴキブリだ。 「きゃあああっ!」 「言ったそばから!」 シャーリーが悲鳴を上げ、僕はゴキブリを追った。 「机の下に入ったはずだが、どこだ」 殺虫剤を探す時間が惜しかったため、僕は部屋の隅にあった古新聞を丸く包み、構える。 「どこ、どこ?」 僕の近くで、シャーリーがオロオロしている。そして間もなく、入り口側の机の下からゴキブリが出てきたのを、僕は見つけた。 「いつの間にあんな所へ!」 ゴキブリが部屋の入り口とは反対方向に走り、僕はそれを追った。シャーリーも怖がりつつ、結末を見届けるために後からついてくる。 「よし、隅に追い詰めたぞ。叩くのは忍びないが、許してくれ」 丸めた古新聞を片手に、僕は祈った。 「ラ、ライ君……」 シャーリーが僕の少し後ろに立ち、怯えながらゴキブリを見つめる。 「よし、せーの!」 僕が古新聞を振りかぶろうとした、その時だった。何とゴキブリが、その黒い羽根を突然広げ、僕たちの頭上目がけて飛び立ったのだ。 「きゃあああっ!飛んだ飛んだ、怖い怖い!」 「ちょっとシャーリー、落ち着いて!」 シャーリーが泣き叫び、僕の服の袖をつかむ。僕は何とかゴキブリを追おうとするが、うまく身動きが取れずにいた。 そしてゴキブリの鈍い羽音が二人の耳元をかすめ、彼女の動揺が頂点に達した。 「やああっ!」 「ちょっ、うわっ!」 僕たちはもつれるように、床の上に倒れ込んでしまった。そしてゴキブリは、何事もなかったかのように少し離れた床の上に着地する。 「だ、大丈……!」 「いたた。ごめんねライ君、私のせい…で!?」 自分たちの状況を理解した僕とシャーリーは、同時に絶句した。僕が彼女を床の上に押し倒す格好になり、もう数センチ近ければ二人の唇が重なりそうなくらい、僕たちの顔は接近していた。 「「ご、ごめん!」」 僕たちが動揺し、同時に相手に謝った時だった。 「失礼します、遅れまし……」 生徒会室の扉を開け、カレンが入ってきた。そして僕とシャーリーの姿を見つけ、硬直する。 三人の瞳が一点に交わったまま、大変気まずい空気が室内に流れ始めていた。 「カ、カレン!違うの、これはね!」 「違うんだ、別にこれはやましいことがあったわけでは……」 あわてて弁解しようとする僕とシャーリーを見下ろし、カレンが不気味なくらい落ち着いた声で言った。 「もしかして私、お邪魔だったかしら?」 まずい、何だかすごく怒っている。まあこんな場所で男が一方的に女性を押し倒しているのを見れば、女性としては怒るのかもしれない。とにかく、何とか誤解を解かないと。 「と、とにかくこれは誤解なんだ。僕とシャーリーは何も……」 「だったら、いつまでシャーリーを押し倒しているのかしらね?」 「あっ!す、すまないシャーリー!」 僕はあわててシャーリーの上からどいて、彼女を助け起こした。そして二人で床に座り、カレンを見る。 (あっ、カレンの足元にゴキブリが) その時、僕はカレンの足元にゴキブリがいるのを見つけた。 「あら、ゴキブリ」 カレンもそれに気がついたのか、静かにゴキブリを見ている。やがてゴキブリは、開け放たれた部屋の扉から外へ出ていった。 「よ、良かったぁ……」 その様子を見届けたシャーリーが、安堵のため息をつく。 「実はさっきから、あのゴキブリを捕まえようとしていたの。でも急に飛んだから私がびっくりしちゃって、それでね……」 「あ、もしかしてそれでさっきの体勢に?」 「そう、そうなの!だからね、私はライ君とは何もなかったよ!ねえ、ライ君?」 「ああ、そうだ。僕たちにやましいことは何もない」 シャーリーに同意を求められ、僕は何度も強く頷いた。するとカレンが、微笑んで言う。 「何だ、そうだったのね。ごめんなさいねシャーリー、誤解しちゃって」 「ううん、いいよ。確かに私たち、紛らわしい状態だったから。本当にごめんね」 「別にいいわ、シャーリーは…ね」 カレンが少し怖いくらいの笑みを、僕に向けてきた。それは外見では判断できないが、一緒にいる時間が長く、かつ彼女の素顔を知っている僕にはわかる。 もしかして、まだ怒っているのか。誤解は解けたはずなのに。 「ライ、後で少し話し合いましょうか。私は少し用事があるから、また後で『じっくりと』ね」 何故か「じっくり」の部分に力を入れ、カレンは僕にそう告げると、生徒会室から出ていった。 「な、なあシャーリー。まだカレンは怒っているんだろうか」 するとシャーリーは、微妙な笑顔で答えた。 「うーん、あんなのを見ちゃったからねえ。多分、怒っていると思うよ」 「何故だ、誤解は解けたはずじゃないか」 「女心は複雑なんだよ、色々とね。その様子だと、まだライ君にはわからないか」 そう言ってシャーリーは肩をすくめ、僕は首を傾げた。どういう意味なんだ、彼女は何か知っているらしいが。 「とにかく、ちゃんと仲直りしなよ。私も二人のこと、応援しているんだからね」 「あ、ああ。仲直りは当然だが、何を僕たちは応援されているんだ?」 するとシャーリーは、いたずらっぽい笑みを浮かべて言った。 「何でもないよ。でもきっと、ライ君だっていつか理解できるはずだから。それと、さっきはごめんね」 結局シャーリーが言うことの意味が何なのか、僕にはわからなかった。 その後。少しだけ残っていた仕事を片づけた後、僕はアジトへ行ってカレンに会った。何を怒っているのかは彼女の口から語られず、代わりに模擬戦を申し込まれた。 その日の紅蓮の動きは抜群で、僕の乗る試作型月下は常に劣勢に立たされ、結果は完敗。また模擬戦が終わってからの彼女は上機嫌そのもので、結局僕は何も知らないまま許されることになった。 ちなみに、その時の彼女の怒りの原因が嫉妬だったことを僕が知るのは、特区日本が成立して彼女と付き合い始めてしばらくのことである。 余暇 43 *
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「蒼穹の絆2-6」 ―風の種を撒く者― 朝。まだ太陽は昇らない。整備ピストの片隅で筋力トレーニングをしている俺。徐々に身体が汗ばんできた。 湯気が上がる。空が明るくなってきた時点で、ランニング。背中にはM1ガランド小銃を背負い、両手に バックを持っている。往復5キロを終えたとき、時間は6時前。皆も起床した時刻。そのまま、射撃場に 行き射撃練習を始める。 シャーリー「おはよー。今日も頑張るね」 俺「おはよう。グラマーちゃん。ルッキーニの探索かい?」 俺の周りは空薬莢と空クリップで埋まっている。イアマフを取り外し、銃を置く。 シ「うん。あいつ、今朝は何処で寝ているんだろうな?」 俺「流石に寒いから中だろ?てっきりシャーリーに抱きついて寝ていると思ったけど」 シ「居なかったんだよ~。樹じゃないよなあ、幾らなんでもなあ」 射撃場も一面雪で覆われている。まさか。 シ「整備ピストとかハンガーとか見てみるよ。ありがとう。じゃ!」 ああ、と手を振る。新しいクリップを込める。膝撃ち。皮のスリングはビンと張られている。 8発を速射。クリップが蹴りだされる。手探りでクリップを押し込み、器用に指を抜いた。自動的に ボルトが閉まる。構えを戻し撃つ。繰り返すうちに、銃身ガードが焦げた匂いを発していく。尻尾が ないから、ノーマル状態だ。 射撃練習を終え、空薬莢等をバックにしまった俺はまた駆け足でテントに戻る。 急げばシャワーを浴びる時間はある。のんびりすると、女性隊員と鉢合わせる。 着替えを持って風呂場へ。誰も居ない。今のうち。 ヒゲもあたってさっぱりした顔でテントにぶらりと戻る。と、シャーリーが中に居た。 ベッドの下を覗いている。 俺「どうした?シャーリー?」 シャーリー「シッ! ここ見てみろよ」 ベッドの真下。本を積んだところにルッキーニが寝ている。何時から居たんだろう? 俺「ありゃまー。寒かっただろう。俺のベッドに潜り込めばいいのに・・・」 ガスヒーターを持ってきて点火。 シャーリー「おーい。こんな子供でも狙うのかよw」 俺「妹だw!妹と寝るなら文句ねーべ?俺も暖かいだろww?」 くすくすと笑いあう。椅子をヒーターの脇に置く。 俺「シャーリー、ここに座れよ。あと、背中に毛布掛けとけよ、ホレ。コーヒー淹れるわ」 コールマンのガソリンコンロに点火した。初めはとろかったが、ポンプで活を入れると結構な轟音と共に 蒼い炎となる。 パーコレーターを用意して、コンロに掛ける。 俺「ルッキーニちゃん、ここで一晩寝たのかねえ?」 シャーリー「多分ねー。あの本を読んでいたのかな?」 指差したところには、俺が持ってきた海生動物図鑑。カラーの奴だ。 俺「あー。読んでいて寝ちまったかw」 シャーリー「昆虫とか大好きなんだよ、あいつw」 女の子が?そうなんだよ、と二人でくすくす笑う。お、沸いてきた。火を少し弱める。 シャーリー「男の子みたいだよ。活発でさ、怖いもの知らず。オッパイ大好きだしww」 俺「おー!将来が楽しみだ!スタリオンズに引っ張るかなw」 シャーリー「いやー!お前んちだと完全に変態にされちゃうよ!」 思わず爆笑。ひでぇな! ルッキーニがそれで目を覚ましちまった。ごめん! ルッキーニ「んァ?・・・・おはよ、シャーリー、ラスカル。あれ?起きれない??」 俺「おいおい。コットベッドの布に頭ぶつかってるよw。そのまま這い出して来いよ」 匍匐前進で出てきた。例の本は抱えている。そしてシャーリーの胸に抱きついた。ほんと、シャーリー ラブだね。シャーリーも少女というより母の顔になってるし。 俺「コーヒー、ミルクと砂糖は?」 シャーリー「お、サンキュ♪わたしブラック、砂糖なしで」 ルッキーニ「ミルクタップリー!砂糖もタップリー!」 それならば、とコンデンスミルクの缶を銃剣で穴を開け、コーヒーにタップリいれる。テーブル代わり に薬莢の木箱を持ってきて、それにカップを置いた。ビスケットの缶詰も出す。 シャーリー「お、美味い!」 ルッキーニ「甘くておいしーぃ!」 よかった。俺も啜る。 俺「ルッキーニは動物が好きなんだ?」 両手に持ったビスケットを齧りながら『うん!』と頷く笑顔が可愛い。 俺「じゃあ、それもっていって読めよ。他にも図鑑はあるはずだ。それもいいぞ?」 シャーリー「よかったなぁ。ルッキーニ」 わーい!とはしゃぐ姿は・・・本当に子供。ちと胸が痛くなる。こんな妹がいたらなあ。妹にしちまうか?ふむ。 リーネ、ペリーヌ、エーリカにサーニャ。エイラもいるなw。シャーリーは・・・ちと微妙?胸が立派過ぎ? ミーナは2歳下だな。ああ、トゥルーデも居るし。ミオは・・・うーん。 まあいい、全員まとめて妹だ!わお。家族が増えた!でも。俺のスタイルにはなあ?今までどおりで外面飾る としよう。うん。海兵はエロく無くてはいかん!伝統の海兵隊スタイル! シャーリー「しかし!奥までぎっしりだな!本の虫なのw?」 俺「ああ。本は好きだな。将来は、歴史小説を書いてみたいと思ってるんだけどさ」 オオーッと二人が驚く。何でだよw シャーリー「戦争小説じゃないのか?経験を積む為に海兵隊にはいったのかと一瞬思った」 俺「うんにゃ。ヒューマンドラマは悪くないけど、あまりに血なまぐさすぎる。みんなの悲しい思い出を ダシにするのは、嫌なんだ。今の戦争は駄目だ。500年とか200年とか時間が経たないと、さ?」 ルッキーニ「家族が死んだ人や、仲間を喪った人も多いから、でしょ?」 そうだよ、それは哀しい事だろう?と思わずルッキーニの頭を撫ぜてしまう。解るか?妹よ。 俺「海兵隊に入ったのは、冒険ができると思ったからさ。これは正解だった。けど、仲間が死ぬことが こんなに多いとは・・・・大誤算だった・・・・」 「子供の頃から、天才だのなんだの言われてな。こっちはそう思わない。只のガキなのに。それに反発 して、みんなと同じことをやって見たかったんだ。それだけ」 「だから。魔力を偶然手にしたときには嬉しかった。金や権力の為じゃあなく、純粋な目的で周りに 奉仕できることになったからね・・・」 シャーリー「・・・今の生活は楽しい?」 俺「楽しくは無い。苦しい。哀しい。でも、一人のウィッチとして行動した結果、何人かを救えたら。 それで満足だよ。仲間を喪うくらいなら、俺が身代わりになる。それでいいんだ。約束だから」 ルッキーニ「誰と約束したの?」 俺「死んだ仲間と」 三人とも黙りこくる。コーヒーの湯気だけが動いている。 ******************************************* ―新装備― リベリオンから補給を積んだC-47が着陸した。ハッチから資材がどんどん運び出される。一端ハンガー脇 に積み上げられ、補給部将校と俺が相互にチェックリストを確認する。 俺「あ!隊長!いいものが届きましたよ。皆喜ぶでしょう。誰か回してください」 ミーナ「ええ。手配しますね。中身は?」 俺「新鮮な果物!最近欠品だったでしょう?」 あっという間に隊員が押しかけ、ワッショイワッショイと運び去られた。 一方、俺は武器弾薬関係の箱を飛び回る。弾薬、予備兵器と交換部品、そして・・・。 にんまり笑うと、細長い木箱を抱えて室内へ。戻ってきて、比較的小さい箱をまた運ぶ。 昼食の席で、ミーナから全員に午後1時からの新兵器講習会が告げられる。全員参加。 * 俺「では、始めますか。今日は新兵器、というか、新装備の講習会です。まず最初にこれ」 2挺の短機関銃を掲げる。M3だ。皆によく見えるように体を回す。 俺「こっちの傷だらけの奴は私が使っているもの。口径45だね。で、こっちは海兵隊クォンティコ基地の 武器担当者が皆さんへのプレゼントとして作ったもの。口径9ミリ。30発弾倉。レシーバーもプレスでは なく、軽合金を削り出した特製。グリップやトリガー位置などを皆さんの手のサイズに合わせて握り やすくリサイズ。銃身は予備兵器として携帯するのに邪魔にならないサイズに。 では、皆に配るから実際手にとって見てくれ」 机の前から後ろに回してもらう。弾無しのマガジンとスリングが装着されている。ミーナも受け取った。 俺「皆さん全員が携帯しろとは言わないよ。自分で判断してくれ。さて、操作は簡単。一緒にやって みて?マガジンを抜くにはここを押す。引っ張ると抜ける。入れるときは強くまっすぐ押し込む。オケ? ボルトカバーをあける。これは安全装置も兼ねているよ。このフタを閉めれば撃てない。開けて見える ボルトに開いた穴、これね、ここに指を入れて後ろに引っ張る。後ろで止まったら指を離す。これで 射撃準備完了。蓋を閉めれば安全装置が掛かる、と。ここまでいいかな? どう?滑らかに動くだろう?俺のはゴキゴキ動くんだけどさw ストックは引っ張るとでてきてロック される。ここを押して収納と。なんだよ、ここも俺のより出来がいいな!」 皆笑う。よく見れば、相互の違いがわかる。形が同じに見えるだけで、完全に別物だ。 俺「乙女たち専用と聞いて、野郎共気合入れまくったな。さて、蓋を開いて。では、念のために銃口を上に 向けて引き金を引いてみて。 はい。感じはどう?」 ボルトも引き金もとてもスムーズ。何度試しても同じ。しっかり作られている。ボディの側面には打刻で 『口径9m/m Para.』そして『Present for you! From Marine s.』 ミーナ「質問してもいいかしら?なんで口径を変えたの?」 俺「欧州で手に入りやすいこと。反動が弾頭重量できつくなる45口径より扱いやすいだろうこと、皆さんも 9ミリのサブマシンガンを使った経験のある人は多いでしょ? あと、携行弾数が重量と比較して有利。 最後に、発射レートを反動などの面で9ミリなら上げることができ、移動目標を主目的とするウィッチに 有利と判断。それをクォンティコに提言して、乙女のファンな変態武器担当が皆さんのために必死になって 実用化してくれたわけ」 ミーナ「俺さんが?有難う!」 皆も口々に礼を言う。男用に作られた兵器ばかり渡されてきた彼女達。勲章もこういう使い方がある。 俺「愛する彼女達の為ならば!任せとけっ!」 バルクホルン「・・・・このスリングは?一本じゃないね」 俺「俺の発明w。こう使うんだ」 実演開始。携帯時には邪魔にならず、プラスチックで出来たフックをワンタッチで外すと、銃だけぶら下 がる。両手どちらでも振り回しは自在。 俺「あとで撃ちまくってもらうから。それで各自判断して。個人的には、サーニャとリーネは持って欲しい。 今は大型専用兵器だけだろ?あれで小型とかを相手にするのは無理がある。これを持っていれば心強いかな と、ね」 ミーナ「そうね。大型に対する武装しか持っていないから・・・」 サーニャとリーネも真剣に聞いている。既に胸に抱き締めている。 俺「では次。大型ネウロイに使う特化兵器。これだ」 木箱から、長いパイプを取り出した。1メートルちょっとか。下にグリップと引き金が付いている。 俺「軍からの試供品w。89ミリ・スーパー・バズーカ。口径89ミリ。炸薬量500グラムの成型炸薬。分厚い装甲 のネウロイ用特製品。一般兵の有効射程は200ヤード。でも、ウィッチなら600ヤード以上。ざっくり550メートル 以上。最大射程は1マイル弱、約1.5キロ。信管は魔力対応の近接及び衝撃。最大射程で自爆するから高度さえ あれば下は気にしないでいいだろう。こいつの一番の特徴は、再装填が簡単に出来る」 皆、前に出て手にとって見ている。中を覗き込んでもただの筒。これが新兵器? 俺「開発の理由は、シシリー島での陸戦。60ミリのバズーカが今ひとつでね。まあ、一般兵が使用してだが。 アフリカでも使っている筈だ。まあ、不満が出た。もっと俺たちを活躍させろってね。 それで、より大口径高威力にして、一般兵の戦力を高めてウィッチ隊の負担を減らす目的で開発中。 その試作をベースにウィッチ専用の特製とした。ロケット砲弾も特製のきつい奴」 別の箱から、全体が黄色くぬられた訓練弾を取り出した。 俺「ロケット砲弾がこれ。ここから先が爆薬。後ろは推進薬。これをケツからこう入れながら、ここにある クリップ付きの電線を引き出す。これをここに差し込む。後ろが同じ高さになるまで入れたら発射準備オケ」 「この照準装置で狙う。落差計算が出来るウィッチ専用の照準装置だね。あとはトリガーを引く。電気信号で 発射される。二人で射手と装填手に分担すれば、一分間に8発以上撃てる。一般用は鉄製だけど、航空ウィッチ は優しい扱いをしてくれるから特殊軽金属でボディが作られているよ。魔力で正確に狙えるから、全長も 一般兵用よりぐっと短く出来た。魔力様様だね。本体の重さは6ポンド、ざっくり3キログラム弱、砲弾は一発 2ポンド、900グラムだね」 シャーリー「使用はどのように仮定して?」 俺「サーニャのフリーガーハマーで難しい相手」 エイラ「でも、フリーガーハマーは9発だゾ?一発一発装填するよりいいんじゃないか?」 俺「そう。最大の利点だ。欠点は一発あたりの破壊力の差。まとめて同弾着とする必要が出ると厳しい。あとは 再装填が事実上難しいことだろうな。なんで、両方を適宜使い分けるのがいいかなと思う」 バルクホルン「サーニャに持たせる?厳しいんじゃないか?さっきのM3も携帯するんだろう?」 俺「ああ。厳しいね。なんで、他のものに持たせる。例えば俺、エイラ等など。撃つときに手渡す」 「まあ、一番ロケット砲になれているのがサーニャだからね。射手はサーニャ、携帯したものが装填役が理想 かな?まあ、テストしてから考えよう。使えないなら倉庫に放り込めばいいさw」 押し付ける言い方を一切しないので、全員気楽に笑う。 早速、射撃場へ。M3を撃ちまくる。合間に45口径のオリジナルも撃って比べる。みなの前には装填済み の弾倉が山と積まれている。皆、尻尾が楽しげに揺れている。 ミーナ「9ミリのほうが、やっぱり私には扱いやすいわね。グリップも手頃だわ!」 サーニャ「楽です・・・・撃ちやすいし、軽いです」 エイラ「いいな、コレ。ストックが邪魔にならないネ。軽いシ」 リーネ「不恰好ですけど、当たりますね!」 ペリーヌ「木をまったく使わないというのは・・・リベリオンだからでしょうか?でも、コンパクトですね」 ルッキーニ「キャハー!これ!たっのしーぃ♪」 シャーリー「トンプソンより小さくていいな!気に入った!」 バルクホルンは片手撃ちで遊んでいる。ハルトマンはアクション付きでやっている。 俺「あはは。流石俺の彼女達だ!どんどん撃て♪銃のスペアも沢山有るぜ!」 ミーナが首をかしげる。私達全員彼女?さっきも何か言っていた。新手のリベリアンジョークかしら? 次は海上にポンツーンで設置された大口径用の的に移動。距離500メートル。浮きの上部に着いた赤い的 が波に揺られている。 俺「サーニャ。俺が装填手やるよ。肩を俺が二度叩いたら、装填及び発射準備ヨシと考えて撃ってくれ」 膝撃ちでサーニャが砲を水平に構える。魔導針に耳と尻尾が出た。肩の当たり位置などを修正し終わった のを見て、俺が後ろでゆっくりと作業。 サーニャの尻尾を踏まないように注意して左後ろに体をずらし、後ろを最終確認。覗き込んでみていた エイラとルッキーニを引っ張って真横に退ける。 俺「言わなかった俺が悪い。ここには絶対居ちゃ駄目だw 死ぬぞ。皆も砲尾から左右直角以降に出ない でな。体が千切れる」 もう一度確認してから、肩をぽんぽんと叩く。 鋭い轟音。砲がかすかに持ち上がる。砲の背後をバックブラストが吹き抜ける。 ルッキーニ「キャォー!すっごい!」 全員、急いで砲弾の行方に目を移す。急速に加速していった砲弾がポンツーンの右手前に着弾。 凄まじい水柱を吹き上げる。水柱が収まるときには、水蒸気だらけ。 皆、唖然としている。フリーガーハマーの9発の同時着弾より凄いぞ!サーニャは尻尾をパタパタ。 青くなっているのはルッキーニ達。ヤバかった! 俺「サーニャ。次行くぞ?」 俺がスピードアップして装填開始。後方確認も含め、8-9秒でサーニャの肩を叩いた。 鋭い発射音と爆風。命中!赤的だ。ドラム缶のポンツーンが歪な姿で空高く吹き上げられる。 大歓声。皆サーニャを褒める。初めて撃つ砲を二発で覚えた!脇でエイラが踊っている。 俺「サーニャ。すごいな。修正ばっちりじゃないか!」 サーニャ「いえ・・・・フリーガーハマーで慣れていますから。加速がよくてまっすぐ飛びますね。 ・・・・あとは魔導針で先に補正して・・・/////これ、凄い。気に入りました」 俺「いや、見事だった!サーニャ、流石おれの恋人だ!そうか!気に入ってくれたか!」 エイラ「やめろォォォ!サーニャに触るなァ!ラスカル!ドサクサ紛れに訳解んないこと言うなァァァ!」 俺に握手を求められ、真っ赤になって応じるサーニャ。エイラがラスカルに文字通り噛み付いた。 周囲から口笛や冷やかしが笑いを交えて飛ぶ。 バルクホルンが硬い表情をして横目で見ているのをハルトマンが気付いた。ハテ?何か問題で? どれ。 ハルトマン「私もラスカルの彼女でしょ?ほれ、握手握手♪」 リーネ「私も・・・・////握手してください」 ちらりとトゥルーデを見る。目が怒ってるね。あららー。悪い病気が・・・。 皆、我先にと練習する。射手と装填手を交互に。気が付いたときには、四回交換したポンツーンの影も 形も無い。最高の射手はサーニャ、装填手にはエイラがよい、と結論が出た。二番手はバルクホルンに ハルトマン。 発射後、顔面に吹き付けるブラストが怖い、という人ほど順位が落ちる。 ペリーヌ「だって!あれで髪型が滅茶苦茶になっちゃうんですのよ!」 俺「乱れた髪形も野生的で好きだぜ?ペリーヌ♪どれ、こうすれば・・・・」 言いながらぺりーヌの髪を手で梳いてやる俺。真っ赤になるがされるがままのペリーヌ。 全員爆笑。 いや、一名だけ笑いが引き攣っている。心配げにみるハルトマン。 * 夕食。昼も補給されたばかりの果物に人気が集中したが、今も人気だ。皆、新鮮な果物を欲していた。 シャーリー「この!オレンジは!私のだ!」 バルクホルン「いや!私が先に触ったから!グググ!私のだ!手を離さんか!リベリアン!」 ハルトマン「はいはい。お姉ちゃん?仲良くしてね?」 ビクッと手を引っ込めた瞬間、シャーリーがオレンジをゲット。 シャーリー「いっただきーぃ♪ああ、うめー!フロリダの味だぁ!」 バルクホルン「ハルトマン!余計なことを言うな!大体私はあんな下品な妹を持った覚えは無い!」 シャーリー「あれ?私のほうがお姉ちゃんだろ?ほれほれ」 オレンジを咥えたままで、胸を上下させるシャーリー。周りから笑いが漏れる。 バルクホルン「!ぐぬぬっ!」 俺「ほら。まだあるから。皮剥いておいたぞ?バルクホルン」 顔を赤くしたままで受け取るバルクホルン。三つも剥かれている。パイナップルのざく切りも。 渋々、食べだした。 テーブルでは皆がオレンジ、バナナ、葡萄、パイナップル等に舌鼓を打っている。皆笑顔。 バルクホルン「有難う。ラスカル」 俺「ん?可愛い俺の彼女達が喧嘩するのは心が痛むw。俺は罪な男だwww」 エイラ「エー!こんな変態ガ?サーニャは違うゾ!駄目ダ!私もナw」 テーブルが笑いに包まれる。否、バルクホルンだけは真面目な顔をしている。 ミーナ「エイラさん?駄目ですよw?『変態だ』なんて言っては」 エイラ「エー。ラスカル弄ると楽しいんダ。ね、サーニャ?」 サーニャ「ウン・・・・お兄さん・・・・」 エイラが安心した顔で激しい同意を示す仕草にまた笑いが起きる。 俺「嗚呼!またふられたw!お兄さん?フム。妹? それもいいじゃないか!あはは!」 一同笑う中、バルクホルンがツイと席を立った。余り気にするものはいない。ハルトマンだけ 心配そうな目で見送る。 ************************************************************************
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『歪み行く想い』 その1 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 76 :試作な俺-16話-歪み行く想い[sage]:2011/01/30(日) 17 36 43.48 ID fkLqmq3XO ――――――――――数年前・某国はずれの離島・町外れの岩場―――――――――― ザザァーン…… 「・・・・・・・」 タッタッタッタッ・・・ 少女「ゼローーッ♪」 「ん・・・?」 岩場に座って佇んでいた俺の下に、1人の少女が駆け寄る 年齢は俺と同じくらいでまだまだ幼い。 ブロンドの長髪を風に靡かせながら駆け寄り、ピンで止められた前髪の下にある表情はあどけない笑顔を浮かべている 少女「おっはよーゼロ!いや、もうこんにちは?ざっと10時間ぶりっ!」 キャッキャッ 「またおまえか・・・。日中は別に会わなくてもいいだろ。おまえ、教官に何か言われねぇの?」 少女「だーかーらーっ!おまえじゃなくてアンジェだって!名前で呼んでよぉー」 「はいはい。そのアンジェさんとやらは、こんな真っ昼間からこんな岩場で油売ってていいんですか?」 少女「大丈夫大丈夫。私達の基地の部隊って、前線から遠くにも置かれない末端中の末端」 少女「それにうちの教官、すっごぉ~~~い!いい加減な人だし。放任主義?だからこれは自主トレって奴かなー?」 「・・・本当、いい加減だな」 77 :試作な俺-16話 うおっ!支援ありがとう。いきなりオリキャラタイムですまない…[sage]:2011/01/30(日) 17 39 41.16 ID fkLqmq3XO 少女「だから心配いらないよっ。そうやって心配してくれるのが、ゼロの優しい所だよねっ♪」 「はぁー、そうですかそうですか」 少女「あぁーーもう照れちゃって!かわいいんだから~」 (うぜえ) 「にしても暇人だなーおまえ。言った通りに自主トレでもすりゃあいいだろうがよ」 少女「してるもん!……って、ゼロに暇人とか言われたくないよーっ!。いっつもここで海見ているだけのくせにー」 「俺はいいんだよ。ちゃんとやる事やってるんだから」 少女「う~・・・・・。ゼロだけずるいよ……」 「はっ!そんな不真面目だからいつまで経っても、まともに飛べやしねぇんだよぉ!」 少女「と、飛べるもん!それで私だって、みんなを守れるようになるんだもん!」 「どこが?俺がどれだけ教えたって、未だに素人丸出しな飛行しか出来ねーじゃねぇか」 少女「むぅーー・・・・・」 「潜在魔法能力だけは俺より高いくせして、全ッ然扱えて無いんだもんなぁっ。もうダメダメ。宝の持ち腐れだぜ本当によ」 少女「むぅーーっ!!」 ドンッ! 「うぉあっ!?」 ザッパァーン!! 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/30(日) 17 41 03.09 ID 6RXRc1Dn0 支援 79 :試作な俺-16話-歪み行く想い[sage]:2011/01/30(日) 17 43 54.50 ID fkLqmq3XO 突如少女が思いっ切り俺の背中を押す。俺は成す術無く海に突き落とされた 少女「いぃ~だっ。ゼロの意地悪─────って、ゼロ?」 「・・・ぷはっ!がぼっ!」 ザバザバザバザバ 俺は必死に手足を動かして体を浮かせようとしている。どうやら泳げないようで、今の俺は波に遊ばれる木の棒同然だ 少女「泳げなかったの!?ごめん!」 ダッ! ザッパァーン! 少女が海に飛び込み、俺を沈まないように自分の体に捕まらせた 「ケホッ!ゴホッ!」 ゼェハァ 少女「ゼロ、大丈夫?」 「てめっ・・・いきなり何しやがるっ・・・!」 ゲホゴホ 少女「ごめんね、ちょっとした出来心だったの。まさか泳げないとは思わなかったから・・・」 「死ぬかと思ったぞテメェ・・・」 少女「うーん・・・(考え中)」 「・・・・・アンジェ?」 少女「そうだっ!」 ピコーン 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/30(日) 17 44 40.39 ID qUva5wNSP 試作ー!俺だー!支援 81 :試作な俺-16話 支援感謝です[sage]:2011/01/30(日) 17 46 09.28 ID fkLqmq3XO 少女「私がゼロに泳ぎを教えてあげるっ♪」 「はぁっ?」 少女「いつも飛び方を教えて貰っているお返しだよっ。大丈夫。私泳ぐのは得意だし、優しく教えてあげるからっ♪」 「べ、別に泳ぎなんざ───」 少女「ホラホラ、まずは基本のバタ足から!ハイいっち、に~、さん、しー」 「ちょっ」 少女「真面目にやらないと手離しちゃうよ~?」 ニヤニヤ 少女はそう言って、小悪魔的な笑みを浮かべる (こ、こいつ・・・・・俺より優位に立っているこの状況を楽しんでやがる) バタバタバタバタ 一人じゃ浮く事すら出来ない俺は、結局言われるがままに少女の手を掴んでバタ足をする 「おまえ覚えてろよ・・・。今夜の特訓メニューは通常の3倍だからな」 少女「ねぇゼロッ♪」 「あん?」 少女「私が上手く飛べるようになるのと、ゼロが泳げるようになるのっ。どっちが先かな~」 ニコニコ 「・・・はっ!そんなん決まってんだろ?───の方が────────────」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ――――――――――現在―――――――――― <ロマーニャ基地内・俺の部屋> 俺「・・・・・」 ムクリ 朝方。まだ薄暗い部屋の中に置かれたベッドの上で、俺は目を覚ました。 室内には本だの置物だの服だの銃弾だの訳の分からない物だの色々な物が沢山あるが、きちんと整理整頓されている為にゴチャゴチャとした印象はまるで無い 俺(夢か・・・・・) ふと部屋に置かれた時計に目をやる。起床時刻にはまだまだ時間があるが、目が冴えてしまって二度寝をする気にはなれない 俺「・・・散歩にでも行くかぁ」 ゴソゴソ 寝間着を脱ぎ捨ててクローゼットを開け、いつもの改造軍服を取り出すとちゃっちゃっとそれに着替える ふわぁと一回大欠伸して背筋を伸ばすと、特に当ても無く外へと歩き出した ガチャッ、キィッ……、ガチャン! <基地周辺> < チュン、チュン…… 小鳥の囀りが聴こえる。朝の澄んだ空気の風が、頬に当たって心地良い 遠く水平線の向こうでは朝日が顔を出し始めており、空を明るくして行く。綺麗だ 俺(偶には早起きもいいモンだな・・・) テクテク 83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/30(日) 17 51 35.70 ID 6RXRc1Dn0 支援 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/30(日) 17 51 56.51 ID KRIgzc88O 久々の支援砲…発射! 85 :試作な俺-16話 支援感謝![sage]:2011/01/30(日) 17 52 28.52 ID fkLqmq3XO 基地周辺をのんびりと歩きつつ、先ほど見ていた夢の事を思い出す 俺(夢、か・・・。エイラ達と一緒の時以来だな。しかもアイツの……) 俺(・・・・・何でだ。この前思い出したからか?) 俺(・・・・・・・・) 俺「気にしてたって仕方ない、か……」 テクテク 俺「・・・ん?」 ピタッ 考え事をして歩く内に、いつの間にか基地付近の森の横へと移動していた。 ふと木の枝の上に見慣れた姿が見え、思わず足を止める ルッキーニ「うじゅ~・・・」 ルッキーニが残念そうな表情で、木の幹をじっと見つめている 俺「おーいルッキーニっ。んな所で何してんだ?」 ルッキーニ「あ、おはよー俺。ムシ捕ってるのー!」 俺「虫ぃ?」 ルッキーニ「うんっ。黒くてね、ピカピカでね、カッチョイイ~んだよっ♪」 シュタッ! ルッキーニが枝の上から俺の下へとジャンプして移動した。まるで猫のように身軽に着地する 86 :試作な俺-16話[sage]:2011/01/30(日) 17 54 44.65 ID fkLqmq3XO ルッキーニ「えへへー」 ズィッ ルッキーニが得意気な笑みを浮かべながら俺にビンを見せ付ける。中には昆虫と思しき虫が一匹入っていた 俺「へぇ~よく捕まえたな。捕まえられるモンなんだなこういうの」 ルッキーニ「うぅん、それがね。ダメダメなの」 シュン 俺「何が?」 ルッキーニ「最近はダメダメで……。今日だってこの一匹だけ。木にハチミツ塗っといても全然来てくれないのー……」 ショボーン 俺「ふーん」 ルッキーニ「うじゅ~~…………」 俺(本当に虫が好きなんだな……) 俺(・・・よし!) 俺「おっしゃ!ここは俺に任せろ」 ルッキーニ「うじゅ?」 俺「待ってな」 タッタッタッタッ・・・ ――――――――――5分後―――――――――― タッタッタッタッ・・・ 俺「持ってきたぞー」 ドサッ 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/30(日) 17 55 37.11 ID la7F+l85O まさか2期7話回か? 支援。 88 :試作な俺-16話 87ごめん違うんだ……。その内やるかもしれないけど。支援感謝[sage]:2011/01/30(日) 17 58 54.29 ID fkLqmq3XO ルッキーニ「・・・何でマヨネーズなのー?」 俺「本で読んだ事があるんだ。虫を捕るならマヨネーズがいいらしいぜ」 ルッキーニ「マヨネーズなんかで大丈夫?」 俺「バッカおまえ、マヨネーズは何にでも合うように作られてるんだよ。虫さんだってきっと大好きさ」 ルッキーニ「本当にー!虫来るー!?」 キャッキャッ 俺「おうよー。こうやってマヨネーズを木の幹に塗りたくってと」 ぬりぬり ルッキーニ「うじゅーっ!あたしも塗るー♪」 ぬりぬり 俺「~♪」 ぬりぬり ルッキーニ(何匹来るかな~♪) ぬりぬり ―――――――――――――――――――― 坂本「───虫取りをするなとは言わない。それくらいは個々の自由だ。だがマヨネーズは有り得ないだろ。もっと食べ物を大事にだなー」 ブツブツ 俺(くそー。まさか少佐に見つかるとは・・・・・。早朝訓練してたのかよ……) チッ ルッキーニ(うじゅー~・・・・・・…………) ションボリ 坂本「俺!ちゃんと話を聞け!」 バシン! 俺「は、はいっ!」 怒られました 89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/30(日) 18 02 26.87 ID W3t8+Mo00 しえん 90 :試作な俺-16話 支援ありがとう[sage]:2011/01/30(日) 18 03 23.14 ID fkLqmq3XO <同日・基地内ハンガー> 観測所から報告が入り、ネウロイの侵攻が確認された。事前の予報通りに警戒していた501一同。 坂本、バルクホルン、エーリカ、シャーリー、ルッキーニ、俺の六名が出撃するべくハンガーに向かった 俺「っと、そうだった。みんな!これ使ってくれ」 スッ 俺は出撃メンバーそれぞれの機銃に合った、弾倉を1人1人に渡して行く シャーリー「? どうしたんだこれ」 俺「時間が無いから手短に説明するぞ。俺の固有魔法は『魔力変換』。魔力を様々な力に変える能力なんだけど」 坂本「それくらいは知っているぞ」 俺「んで、俺は普段戦闘では”牙”───っていうか破壊力への変換を使っている。銃を持つ手から銃を通じて銃弾に破壊力宿らせて、威力を大幅に上げているんだ」 エーリカ「確か普通のウィッチよりも、銃弾の上がる威力が凄い大きいんだっけ?前にも聞いたよね」 (※10話) 俺「そう、ざっと通常の3倍。それでその応用なんだけど、事前に俺が魔法力を込めておく事も出来るわけ。直接銃弾に触れる事でな」 バルクホルン「では、この弾倉に入っている銃弾は・・・」 俺「全部そう!事前に準備しておいた、俺特性スペシャル弾☆って事だ」 坂本「差し詰め『魔弾』とでも言った所か」 俺「おっ、その名前いただきますぜー」 91 :試作な俺-16話[sage]:2011/01/30(日) 18 05 24.12 ID fkLqmq3XO ルッキーニ「うじゅー?よくわかんなーい……」 俺「つまり、この銃弾威力が高いからみんな使ってくれって事」 ルッキーニ「おぉー!ありがとっ、俺ー♪」 ニッコリ シャーリー「悪いな大変だったろー。わざわざ銃弾一つ一つに魔力込めるだなんて」 俺「なぁーに、どうって事ねぇよ。一緒に戦う仲間の為だ。せめてこれくらいは、な」 バルクホルン「すまない。有り難く使わせて貰うぞ、俺」 シャーリー「ありがとうなー、俺」 エーリカ「俺、ありがとね~」 坂本「感謝する。・・・さて、そろそろ出るぞ!出撃だ!」 一同「了解!」 ―――――――――――――――――――― <ロマーニャ沖・上空> 坂本「・・・ネウロイを確認!7時方向、大型1、距離8000!」 俺「来たか・・・!」 俺は周りの面々に気がつかれないよう、こっそりとγ-グリフェプタンを服用する 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/30(日) 18 06 29.67 ID 6RXRc1Dn0 支援 93 :試作な俺-16話 支援感謝です[sage]:2011/01/30(日) 18 08 00.02 ID fkLqmq3XO やがて、はっきりと大型のシルエットが見えて来た。飛来する紅い火線を回避しつつ、ウィッチ達は攻撃を開始する ネウロイ「――――――― ―――――――――――――」 ガチャガチャン! 突如ネウロイが体の一部を分離させ、子機を生み出す。ニ十数機の小型機が出現した 坂本「分離したか・・・・・まずは露払いだ。行くぞ!」 小型ネウロイ達「―――――――――――――」 ビシュン! エーリカ「行くよ!」 ズドドドドドドドドドド! バルクホルン「はぁっ!」 ズドドドドドドドドド! 現れた子機を、いとも容易く蹴散らして行く シャーリー「すっげー、威力が段違いだ!」 ズドドドドドドドドド! ルッキーニ「楽チーン♪」 ズドドドドドドドドド! あっという間に子機達を全滅させ、残ったのは本体の大型だけだ 坂本「後は奴だけか・・・俺!」 俺「おっしゃあ!任せろや!」 威勢よく言い放つと俺は、背中に装備している生まれ変わったバスターライフル───ツインバスターライフルを手に持つ 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/30(日) 18 09 26.84 ID KRIgzc88O 支援 95 :試作な俺-16話[sage]:2011/01/30(日) 18 10 45.54 ID fkLqmq3XO 俺「魔導変換開始っとぉ!」 時々飛び来る火線を回避しつつ、俺はチャージを進める 坂本(今回は使用するように命令が下っている・・・。止むを得ない、か……) ジャキッ! 坂本が憂いている間にチャージを終わらせた俺は、ライフルを標的目掛けて構える 。 いつもの片手持ちでは無く、両手でグリップを一つずつしっかりと握り締めている。つまり両手持ちだ 俺「バーストショット。ターゲッ─────あぁー…………以下省略ゥッ!!」 ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォーーッ!!!! 2つの並んだ銃口から、青白い輝きを放つ夥しい量のビームが発射される フルブラストショットを遥かに凌ぐそれは、子機を再生させようとしていた大型ネウロイを容易く撃滅し、雲を撒き散らし、遠い彼方の空へと消えて行く 出力が向上している為、ビームの太さもとても大きくなっており、照射時間は優に10秒を超えた ルッキーニ「す、すっごーい!」 シャーリー「うおー・・・。これが生まれ変わったバスターライフルの力って奴か」 エーリカ(いやー、味方で良かったよホント) 俺「ケホッ、ゴホッ・・・! ハンパねーな、これ。圧倒的過ぎんだろ・・・」 俺(こりゃ、とても気軽に撃てるモンじゃねぇな……) 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/30(日) 18 15 20.99 ID la7F+l85O 試作の声が岡本信彦ボイスで再生される件。 支援。 98 :試作な俺-16話 支援感謝です[sage]:2011/01/30(日) 18 16 35.36 ID fkLqmq3XO <同日夜・基地内食堂> パクパクモグモグ 俺「・・・宮藤ー。塩取ってくんない?」 宮藤「はい、お塩」 スッ 俺「サンキュー」 パシッ サッサッサッサッ・・・ 宮藤「味薄かった?」 俺「んー。ちょっとな」 サッサッサッサッ 宮藤「って、かけすぎ!体に悪いよ」 俺「なんかしょっぱいモン食べたい気分なんだよな」 モッサモッサ 宮藤「塩分のとり過ぎは体によくないよ。血圧が上がって、将来色々苦労する事になっちゃうよ?」 俺「へぇー、流石は診療所の娘。詳しいんだな」 宮藤「これくらい大した事ないよー」 エヘヘ 俺「ふーん、そうなんだ」 パクパク 俺「・・・・・・・・」 パクパク 101 :試作な俺-16話 支援ありがとう[]:2011/01/30(日) 18 21 52.38 ID fkLqmq3XO <翌日早朝・基地付近の森> 俺「昨日は少佐の介入により、無念ながらも我らが”マヨネーズ決死行”は失敗に終わった・・・。だからリベンジしよう。今日はこれだ!」 ドサッ! 俺「ハチミツだ!これならいつもルッキーニが使っているし、少佐に怒られる心配も無い」 ルッキーニ「だーかーらー、ハチミツ塗ってても来てくれないのーっ」 俺「そりゃ塗り方が悪いんだよ。木なんかに塗っている時点で、虫さんをおびき寄せようとする気合いが足りない」 ルッキーニ「じゃあどこに塗っておけばいいのー?」 俺「身体にだ!身体中にハチミツ塗りたくって突っ立ってろ。スグに寄ってくるぞ」 ルッキーニ「うじゅー!身体にー?その発想は無かったぁー♪」 キラキラ 俺「名付けて”ハニー大作戦”だ。そして俺の事は隊長と呼べ」 グッ ルッキーニ「はーいタイチョー♪」 俺「違う。返事は『サー・イェッサー』だルッキーニ隊員」 俺「よし!早速準備にかかるぞ」 ルッキーニ「サー・イェッサー!」 ビシッ! 俺(こうやっていると、なんだか軍人にでもなった気分だなー) ハハハ 俺(・・・って、俺軍人だった) 102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/01/30(日) 18 23 08.47 ID KRIgzc88O ペロペロ支援 103 :-Prototype-試作品-16話-歪み行く想い[]:2011/01/30(日) 18 28 30.82 ID fkLqmq3XO ―――――――――――――――――――― ヒラヒラパタパタ ルッキーニ「うじゅ~!沢山キタぁー!」 テカテカ 俺「そうだろーそうだろー」 テカテカ ルッキーニ「うじゅっ、また来た!」 ベタベタ 俺「はっはっはっ!素晴らしいぞ予想以上の戦果だ!」 ベタベタ ルッキーニ「ムシ沢山ーッ!ありがとー俺・・・じゃなくてタイチョー♪」 テカテカ 俺「作戦成功だ!やったなルッキーニ隊員!」 ベタベタ ルッキーニ「やった♪やった♪HAPPYだー♪」 キャッキャッ 俺「あっはっはっはっはっはっ!」 ハハハ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!! ?「き、貴様ら・・・・・!」 俺・ルッキーニ「「へ?」」 クルッ 虫を沢山捕れた事で浮かれていた俺とルッキーニが振り向くと、坂本が鬼のような形相で仁王立ちしていた 俺(あ、やっべぇ) ルッキーニ「う、うじゃー・・・……」 サアァ 坂本「何をやっとるかああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアァぁぁッッ!!!」 ドッカーン!! その後、某黄金の戦士やゴールドフィンガー張りに全身金色にテッカテカのハチミツ塗りな俺とルッキーニは 2人の身体に塗りたくったハチミツが固まるまで、坂本からの説教は続いたという・・・ 437 :試作な俺-16話-歪み行く想い[sage]:2011/02/03(木) 19 19 40.90 ID jagwEgoh0 <基地付近・水場> ザブザブザブ・・・ 俺とルッキーニは身体についたハチミツを洗い流す為、水場で身体を洗っている 俺「まさかまたしても少佐に介入されるとは。俺のハニー…………何だっけ。傷だらけのハニー湯煙殺人事件?」 ゴシゴシ ルッキーニ< でもでも!おかげで沢山ムシとれたよー! 俺(・・・ま、いっか。本人満足げだし) 俺「くっそ!なかなか落ちないな・・・。少佐の説教くらっている間に、ハチミツが固まってやがる・・・!」 ゴシゴシ ルッキーニ「じゃあさじゃあさ!」 ヌッ 俺「うおぁあっ!?」 ザブン! 急に岩の反対側で体を洗っていた筈のルッキーニが現れたので、俺はとっさに股関を隠す 俺「な、何だルッキーニ!急に現れるなよ!」 ルッキーニ「一緒にお風呂入りに行こうよ、お風呂ー♪」 俺「・・・は?そんなん駄目に決まってんだろ。俺は男だぞ」 ルッキーニ「俺ならいいよ!ねぇ、一緒に入ろうよぉー」 ウルウル 俺「だから駄目なモンは駄目だと───」 俺「……って、何だよ。や、やめろ。そんなウルウルした目で俺を見るな。そんな目で見たって駄目なモンは───」 438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/03(木) 19 21 27.13 ID rn7ABx2w0 メシ食ってる間にひと悶着あってたみたいね。 支援支援。 439 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/03(木) 19 22 13.57 ID 4F+62QLP0 支援。 440 :試作な俺-16話 支援ありがとう[sage]:2011/02/03(木) 19 22 37.18 ID jagwEgoh0 <基地内・露天風呂への通路> カポーン・・・ ルッキーニ「おッ風呂~~♪」 キャッキャッ 俺「駄目・・・なんだけどなぁ」 信頼されているのか純真無垢なだけなのか。俺は結局ルッキーニを言いくるめる事が出来ず、こうして2人で風呂に入る事になった いや、”3人”だった シャーリー「あんまりハシャぎ過ぎるなよルッキーニ、転ぶぞー」 俺「・・・なんでおまえまで居るんだ?」 シャーリー「保護者としての責任って奴? まぁ俺ならそんな危険性は無いと思うけどなっ」 俺「そ、そうか・・・。アリガト」 混浴という事で3人とも体の肝心の部分は、しっかりとタオルで隠している だが流石は”グラマラスシャーリー”と言ったところか。 ふくよかな胸元は薄布一枚なんかでは隠しきれない程主張をしており、タオルの上からは色っぽいその谷間が確認出来る 俺(目のやり場に困るな・・・。トゥルーデの時は暗くてよく見えなかったけど、今は真っ昼間だし……) チラッ シャーリー「ん? 何見てんだ俺ぇ~」 ニヤニヤ 俺「み、見てめーよっ。・・・じゃなくて見てねーよ!」 441 :試作な俺-16話[sage]:2011/02/03(木) 19 24 35.86 ID jagwEgoh0 シャーリー「本当かぁ~? そんなに慌てちゃってー」 俺「ホントに見てない!さっさと入ってとっとと出るぞ」 スタスタ シャーリー「ふーん?」 シャーリー(・・・そうだ) ニヤリ ギュッ! むにゅっ 俺「!?!?」 突如シャーリーが俺の腕に両手を絡ませ、豊満な胸を俺の腕に押し付けた シャーリー「そう連れない事言うなよ~。俺にはイロイロ聞きたい事があるんだからさぁ~」 ギュッ、ギュッ 俺「うおぁあっ!?」 ババッ! 俺はまるでトラックにでも弾かれたかのような勢いで、シャーリーから離れる 俺「な、なにすんだよおまえ!」 ドキドキ シャーリー「あっはっはっは!いい純情っぷりだなー」 (・・・やっぱり、あの時のは勘違いだったのか)(※11話) 俺「ちっ・・・・・ほっとけよ!」 スッサスッサ からかわれて気分を害したのか、俺はさっさと露天風呂へと向かって行った シャーリー「あっ、待てよー」 スタスタ 443 :試作な俺-16話[sage]:2011/02/03(木) 19 29 33.21 ID jagwEgoh0 <露天風呂> カポーン・・・ ハチミツ塗れの体を洗い終えた俺とルッキーニ。同じく体を洗い終えたシャーリーの三人で、露天風呂に浸かっている 俺「あ"~。極楽極楽」 ババンババンバンバン♪ ルッキーニ「気っ持ちいいーっ♪」 シャーリー「疲れが消えていくのがわかるよ。いい……」 3人「ふぅ~~~~~」 誰かが言った。「風呂は命の洗濯だ」と。 3人は体についた垢や汚れと共に、日々の心労や疲労までをも浄化して行く シャーリー「なぁー、俺」 俺「ん、何よ?」 シャーリー「俺ってさ、あいつの事・・・バルクホルン事、どう思ってるんだ?」 俺「どう思ってるって・・・?」 シャーリー「2人の関係って何なんだろうな。師弟とも言い難いし、友達ってのもピンと来ないし」 俺「何って大切な仲間・・・もとい家族だろ。他になんかあるか?」 シャーリー「そりゃそうだ。あたしだってあいつや俺やみんなは、大事な家族だと思っている」 ルッキーニー「あたしもーっ」 444 :試作な俺-16話[sage]:2011/02/03(木) 19 32 15.38 ID jagwEgoh0 俺「・・・・・・・・」 シャーリー「じゃあ単刀直入に聞く。バルクホルンの事好きか?」 俺「そりゃ好きだよ仲間だし。みんな好きだぞ」 シャーリー「違う。家族とかの好きじゃなくて、”一人の女性”としてはどう思ってるんだ?好きなのか?」 俺(そういう事か……) 俺「・・・・・難しいな」 シャーリー「難しい?」 俺「ああ」 チャプン・・・ 俺「トゥルーデはさー・・・。綺麗だし、かっこいいし、厳しいけど優しいし、戦いでもとても有能だし、何て言うかウィッチの鏡だよな。 …………俺より強いし」 シャーリー「強いって・・・。俺はこの前あたし達に四対一で圧勝したばかりじゃないか」 俺「あんなんただの反則だっての。俺、まだ一度もトゥルーデにサシで勝った事は無いんだよ」 俺「それに腕っ節云々だけじゃない。あいつは立派な信念持ってるし、精神的にも強いし、自分だってヤバいのに俺を守ろうとした。 俺はあいつのそういう所、立派だと思う……っていうか尊敬する。あいつはかっこよすぎるんだよ」 シャーリー「ふーん……」 (憧れって奴か・・・) 445 :試作な俺-16話[sage]:2011/02/03(木) 19 35 09.31 ID jagwEgoh0 シャーリー「でもあいつだって万能人間って訳じゃないぞ?俺が501に来るだいぶ前の事だけど、一時期はかなり鬱ぎ込んで───」 俺「知ってる。妹さんの事だろ?本人から聞いたよ」 (※6話) シャーリー「知ってたのか」 俺「ああ。……確かにその通りだな。結局はトゥルーデだって人間───いや、一人の女の子だ(俺より年上だけど)」 俺「むしろ何事にも完璧な人間なんて、絵本の中の都合のいいヒーローだけだ。完全無欠な人間なんざ、この世のどこにも居やしねぇよ」 シャーリー「ま、そりゃそうだな」 俺「ちょっと話が逸れたな。とにかくあいつは強いよ。だけど…………」 シャーリー「だけど?」 俺「前にあいつと2人でローマに行って、俺がネウロイとの戦闘で死にかけた時・・・(※7話) 最後に意識が途切れる瞬間、あいつの───トゥルーデの顔が見えたんだ。泣いていた。この世の終わりみたいな顔して泣いていた……」 俺「次に目を覚ましたのは基地の医務室で、起きたらトゥルーデが居た。「私のせいだ。すまない」って謝られた」 俺「おかしいだろ。凛々しくて気丈な堅物軍人の筈のあいつが、親に叱られて泣きそうなガキみたいな顔して、俺なんかに謝ったんだぜ?」 俺「思ったんだ。『俺が普段気丈な筈のこいつに、こんな顔をさせちまったんだ』ってな」 俺「あいつのあんな顔を見るのは、こっちまで辛かった。初めて誰かに泣いて欲しく無い、笑っていて欲しいって思った」 シャーリー「そうか・・・・・」 447 :試作な俺-16話 446 335だよ[sage]:2011/02/03(木) 19 39 32.32 ID jagwEgoh0 俺「さっきも言ったが、あいつだって一人の人間だ。”250機撃墜のゲルトルート・バルクホルン大尉”である前に、”トゥルーデ”って言う一人の女の子なんだよ」 俺「トゥルーデってさ、普段は凛々しいって感じだけど、笑うとすっげぇ可愛いんだ」 俺「俺あいつの笑顔大好きだな。天使スマイル?笑顔の魔法って奴?」 シャーリー(へぇー……、全然恥ずかしがらずに堂々と言うんだな) 俺「だから俺は、あいつには戦って欲しくない。戦いは危険だ。命なんざ、一瞬で失われる」 俺「だから俺はあいつが───そしてみんなが、命の安い戦場なんかに赴かないで済むように、戦う必要なんか無くて、普通の女の子で居られるようにしたい」 シャーリー「・・・そう簡単にはいかないだろ。あたし達は力のある人間───”守る”側の人間だ。 あたし達が戦うのを投げ出してしまったら、そのせいで傷つく人や、救われない人だって居る筈だ。誰かがやらなきゃいけないんだよ」 俺(・・・・・・・・) 俺「ま、そりゃそうだな。こんなの所詮は理想論だ」 俺「だが、”もし”ネウロイ共を一掃してこの世界を救う事が出来たら、戦う必要なんて無くなるんじゃないか?」 シャーリー「うーん・・・どうなんだろう、難しいな。人間の歴史なんて、戦いと共にあるんだ。必ずしも完全な平和になるとは限らない」 シャーリー「・・・でも、少なくとも今よりは楽になるんじゃないか?未知の脅威が無くなるんだからさ」 俺「そう、そうだよな。もしネウロイを倒せたら・・・」 俺「倒せたら・・・」 449 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/03(木) 19 43 13.77 ID rchZ0dh60 飯食ってる間に来てたのか!支援 450 :試作な俺-16話 支援どうもです[sage]:2011/02/03(木) 19 45 44.06 ID jagwEgoh0 シャーリー「俺?」 俺「・・・いや、何でもない」 シャーリー「・・・・・・・」 2人の間に沈黙が流れる。ルッキーニは聞いているのかいないのかわからないが、先程からやけに静かだ やがて、俺が口を開く 俺「・・・愛だの恋だの、そういうのわからねぇんだよ、経験も無いし。そんな日和った事が出来るような所で生きて来た訳でもないしな」 シャーリー「どんな所で生きて来たんだ?」 俺「……地獄」 ボソッ シャーリー「へ?なんて?」 俺「いや、いい。・・・とにかく、俺にはこの気持ちが───自分の気持ちが何なのかはわからない」 俺「だけど俺は、あいつには笑ってて欲しい。笑顔で居て欲しい」 俺「それだけ・・・・・ただそれだけだな」 シャーリー「そうなのか……」 (随分と献身的だな……) チャプン・・・ 452 :試作な俺-16話 ちょいともしもしから[sage]:2011/02/03(木) 19 49 58.34 ID Yos2iZTFO シャーリー「だけどそれは、俺が”バルクホルンに対して”望む事だろ」 シャーリー「”俺自身”は、どうしたいんだ?」 俺「俺、自身・・・?」 シャーリー「ああ」 俺(俺自身、か…………) 俺「・・・・・・・・」 シャーリー「・・・・・・・・」 もし・・・・・、もしも許されると言うのなら─────── 俺「俺は、トゥルーデの傍に居たい。2人で一緒に笑い合いたい。俺自身の手で、トゥルーデを守りたい」 俺「これが、俺の気持ちだ。・・・ま、高望みだけどな」 ルッキーニ「それが”好き”って事なんじゃない?」 ずっと黙っていたルッキーニが突如口を開く。一応話を聞いていたようだ シャーリー(おっ・・・) 俺「これが・・・?」 ルッキーニ「うん♪」 454 :試作な俺-16話[sage]:2011/02/03(木) 19 55 09.00 ID Yos2iZTFO ルッキーニが子供特有の無垢なる瞳で、俺に語る 俺「・・・・・ははっ」 俺「そうか…………。そうかもな」 ルッキーニ「そうだよーっ」 俺「……よし!ルッキーニ、頭洗ってやるよ」 ザパァ←湯船から上がる音 ルッキーニ「うじゅ?ありがとー♪」 ザパァ 俺「あ、シャーリー。今の「好き」って事、トゥルーデには内緒にしといてくれよ。恥ずいから」 シャーリー「あ、ああ」 俺とルッキーニが湯船から出る。勿論2人共タオル着用状態。ルッキーニを椅子に座らせると俺は後ろで膝立ちになり、シャンプーを泡立てて彼女の頭を洗い始めた 俺「しっかし、髪長いと洗うの大変そうだよな」 ゴシゴシ ルッキーニ「まぁねー」 ニコニコ シャーリーは湯船に浸かったまま、俺とルッキーニの背中を見つめる シャーリー(ははっ、ルッキーニにいいところ持ってかれちゃったなー) 「やられたー」って感じの顔をするシャーリー だが、自分が言おうとしていた事を妹分であるルッキーニが先に言ってくれた事が、シャーリーは内心嬉しかった 455 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/03(木) 19 56 01.33 ID A0hUadLS0 なんだろう、今の試作の台詞でバルクホルンの魅力が解かった気がする 456 :試作な俺-16話 再びPCへ[sage]:2011/02/03(木) 20 02 48.52 ID jagwEgoh0 シャーリー(それにしても『高望み』、ねぇ・・・。そんな事は、無いと思うんだけどな) シャーリーが思うに、先日の出来事や普段の2人の関係を見る限り、バルクホルンの方は脈ありな筈だ それに俺が気づいていないのは何とももどかしい状況なのだが、自分が教えてしまうのはお節介って奴だろう シャーリー(何とかならない物かな・・・) チラッ ルッキーニ「ひゃっ、あ、ああ///」 ビクッビクッ シャーリー(あれ・・・?俺の奴、風呂にまであの変なチョーカー装着けているのか) ルッキーニ「あっ、ふあぁっ///」 ビクン! シャーリー「って!ルッキーニに何してるんだよ俺っ!!」 ザパァ 俺「・・・へっ?頭洗っているだけだけど」 ゴシゴシ ルッキーニ「あぁ~///」 ビクッ シャーリー「あれ、本当だな・・・」 キョトン 俺「ちょっとルッキーニ静かにしろよー。気が散るだろ」 ゴシゴシ ルッキーニ「ら、だっ、だってぇ~///」 ビクンビクン! シャーリー(頭以外には触れていない・・・。どうなっているんだ?) ゴシゴシゴシゴシ・・・ザパァーン 俺「ほい、終わり」 ルッキーニ「う、うじゅ~・・・/////」 カアァーー/// 457 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/03(木) 20 06 32.71 ID 9eLMtYjYO 試作きてたぁぁ 支援支援 458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/03(木) 20 07 25.02 ID 4F+62QLP0 しえん 459 :試作な俺-16話 支援感謝です[sage]:2011/02/03(木) 20 07 40.84 ID jagwEgoh0 シャーリー「なぁ俺。本当に頭洗っただけか?」 俺「本当だっての。シャーリーすぐ横で見てただろーが」 シャーリー「そりゃそうだが・・・。なぁルッキーニ、頭洗った以外に何かされたか?」 ルッキーニ「うぅん何にも?……それよりもスッゴい気持ち良かった///」 ポッ/// シャーリー(ルッキーニのあんな声もこんな顔も初めてだ・・・。一体俺は何をしたんだ……) 俺「?」 シャーリー「・・・よし。俺、あたしも頼むよ」 俺「あ?まぁいいけど。そこ座ってくれ」 クィッ シャーリー「ああ」 ストン 俺「んじゃ、やるぞー」 ワシャワシャゴシゴシ シャーリー「うおお・・・」 (あれ?以外と普通……) 俺(ルッキーニといいシャーリーといい、髪が長い人って大変だな・・・。手早く丁寧に終わらすか) ゴシゴシ! シャーリー「んあぁっ!」 ビクン! 俺「何だおまえもかよ・・・」 ゴシゴシ シャーリー「ひぅっ、あ、あぁんっ///」 (な、何だコレぇ!///) ビクビクン! 460 :試作な俺-16話[sage]:2011/02/03(木) 20 09 44.89 ID jagwEgoh0 ゴシゴシ シャーリー(体にっ、電気が走っ・・・たみたいにっ・・・!) ビクンビクン! シャーリー(力が入らないぃ……) シャーリー「あ、ふぁっ、ふあぁ///」 俺「・・・何て言ってんだ?頼むから静かにしてくれ」 シャーリー(「駄目」って言いたいのに・・・呂律が回らなっ……) 俺(何で洗髪でこんな声・・・。くそっ、さっさと終わらせるしか・・・!) ゴシゴシ! シャーリー「んあっ!ひうぅ!///」 俺(落ち着け俺落ち着け俺落ち着け俺落ち着け俺。邪念を捨てろ邪念を捨てろ邪念を捨てろ邪念を捨てろ) ゴシゴシゴシゴシ! シャーリー「あっ、そんな強く───ら、らめえええええぇぇぇぇぇっ!!!/////」 ダッダッダッダッ・・・・・!! バルクホルン「貴様あああああアアアあああっ!!なにをしているかあああああアアアアああああああっッ!!!!」 バ キ ィ ッ ! ! 俺「ぐはああぁっ!!?」 ズサァ─────ッ!! ド ッ ゴ ォ ー ン ! ! シャーリー「あっ、吹っ飛んだ」 (ちょっと残念・・・) 461 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/03(木) 20 12 54.59 ID ICu46+2UI しーえん 462 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/03(木) 20 14 34.58 ID BY/b+CI80 お約束キタコレw 支援 463 :試作な俺-16話 支援感謝ナンダナ[sage]:2011/02/03(木) 20 16 00.55 ID jagwEgoh0 バルクホルン「信じていたのに・・・!おまえは仲間に手を出すような奴じゃないって、思っていたのに・・・なのに!」 シャーリー「あ、あの~・・・バルクホルン?」 おずおず バルクホルン「そうだ!大丈夫かシャーリー!?」 シャーリー「いやっ、その…………気持ちは嬉しいけど、勘違いしているぞ?」 バルクホルン「へっ?勘違い?」 キョトン シャーリー「私はただ、俺に髪を洗って貰っていただけだ」 バルクホルン「か、髪・・・?だってさっき、変な声、出して…………」 シャーリー「洗髪って気持ちいいだろ?ちょっと気が緩んでいただけだ。俺は疚しい事なんて何もしていないぞ(多分)」 バルクホルン「本当にか・・・?」 シャーリー「ああ、勿論だ。俺はそんな事する奴じゃないって、あんたが一番知っているだろ?」 バルクホルン(な、何という事だ。私は何という勘違いを・・・・・) ワナワナ バルクホルン「そうだ俺は!?」 はっ ルッキーニ「そこの岩に突き刺さってるよー。頭から」 俺「」 死ーーーン バルクホルン「お、俺ええええええエエエええええええええええええぇぇぇっ!!!」 俺(あははー、川が見える~♪) ピク、ピクッ 464 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/03(木) 20 17 22.52 ID cNYqlPwf0 ナムサーン!
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889 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/06(土) 22 44 25.81 ID DvwweW+80 ~早朝、基地滑走路~ タッタッタッタッタッタッタッタッ グレース「I don t want no teen-age prince~♪(スカした美男子 もういらない )」 坂本「あーいどんうぉんのーてぃーんえいじぷりーんす~♪」 グレース「I just want my Striker~♪(私の彼氏はストライカー)」 坂本「あいじゃすうぉんまいすとらいかー~♪」 タッタッタッタッタッタッタッタッ シャーリー「ふぁ~あ、朝から頑張るねぇ・・・ さて、私も朝のメンテにしようかなぁー」 そう言うとハンガーに戻っていくシャーリー。 カチャカチャ・・・ シャーリー「ん、魔道インジェクターも綺麗だ。 点火プラグも問題ないな」 890 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/06(土) 22 47 54.69 ID DvwweW+80 ガチャ シャーリー「ん?リーネじゃないか。 どうしたんだこんな所に?」 キョロキョロと周りを見回すリーネ。 何かを気にしているようだ。 リーネ「あのー・・・グレース少佐は・・・?」 シャーリー「ああ、それならさっき滑走路を坂本少佐と走ってたぞ。 ホラ、丁度戻ってきた」 リーネ「!」 ビクリとするリーネ。 スタスタ 坂本「―――なぁグレース少佐、風呂に行かないか?」 グレース「風呂、か?」 坂本「ああ、ここには扶桑式の風呂があるんだ」 グレース「ロマーニャにか?そりゃ意外だな」 891 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/06(土) 22 49 04.10 ID ZwwFt16m0 ボイントンの手記は見応えが有りますよね 日の丸を“怒り狂ったミートボール”と表現したり 俘虜になった時の炊事係のおばちゃんの話とかやけに詳しく綴られてたりw 892 名前:Semper Fidelis Pt.3 891そうそう、いろいろエピソードがあるんでキャラは作り易かったwww[] 投稿日:2010/11/06(土) 22 51 39.35 ID DvwweW+80 坂本「ああ、扶桑海軍の設営班が作ってくれたんだ」 グレース「ほぉ・・・じゃぁ行くか。 ってリーネとシャーリーか、おはよう。 いい朝だな」 シャーリー「いやー、グレース少佐も朝から頑張るねぇ」 グレース「私の魔法は体力が資本だからな。 ・・・どうした、リーネ?」 ピクリ、と肩を震わせるリーネ。 リーネ「な、何でもありません、グレース少佐!」 グレース「―――? まぁとにかく風呂にいこうか、坂本少佐。 それじゃぁ後でな、二人共」 シャーリー「後でなー、少佐ー」 リーネ「・・・・・・・」 スタスタスタ――― 893 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/06(土) 22 54 55.83 ID DvwweW+80 シャーリー「どうしたんだ、リーネ?」 リーネ「実は―――カクカクシカジカ」 シャーリー「ふぅん・・・グレース少佐が私のストライカーを・・・」 リーネ「はい、夜中にこっそりと・・・」 シャーリー「変だな、何もおかしいところなんて無かったぞ?」 リーネ「ほ、本当ですか?」 シャーリー「ああ、いまチェックしてたけどなんにも問題は無かったぞ」 リーネ「で、でも本当にみたんです、シャーリーさん!」 シャーリー「別にリーネのことを疑っちゃいないよ。 ・・・いったい少佐はなんでそんな事を」 リーネ「わかりません・・・ でも隠れてやってたってことは・・・・」 シャーリー「―――私達には知られたくない、ってことか」 894 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/06(土) 22 58 41.07 ID DvwweW+80 シャーリー「・・・少佐が何をしてるのかは私にも分からないな。 でも私達に知られたくないって事は―――そう振舞ったほうが都合はいい」 リーネ「で、でも・・・」 シャーリー「後で中佐にも言ったほうがいいかもしれないな。 とにかく今は事を大きくしないで様子を見てみたほうがいいんじゃないかな」 リーネ「は、はい・・・ でもシャーリーさんは不安じゃないんですか?」 シャーリー「あたしかい? そりゃ隊の中でよく分かんないことが起きてるのは不安だけど・・・ でもグレース少佐はあたしたちと同じウィッチだ。 同じ空を飛んでいるんだ、危ない奴だったら分かるはずだ、と思う・・・」 リーネ「そうですね・・・グレースさんも501の仲間になるんですよね。 とりあえず様子を見てみましょう」 895 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 22 59 13.07 ID ZwwFt16m0 「おはよう」と挨拶されて「俺はオハイオ出身じゃねぇよ!」って言い返した所とか 可愛過ぎますよねw 896 名前:Semper Fidelis Pt.3 895部隊内のオッサンポジってのもなかなか面白いよね[] 投稿日:2010/11/06(土) 23 02 01.32 ID DvwweW+80 ~同時刻、大浴場更衣室~ 坂本「いやーいい汗をかいたな、グレース少佐」 グレース「朝はランニングに限るな!」 坂本「それにしてもリベリアンなのに風呂が好きとは意外だな」 グレース「実は以前扶桑海軍に世話になったことがあってな、その時に」 坂本「ほう、そうなのか」 そんな話をしつつ二人は着衣を脱ぎ始めた。 モスグリーンのジャケットを脱ぐと、下には半分ほどボタンの外れたカーキのシャツだけだ。 煩わしいネクタイは付けてないので、深い谷間がよく見える。 グレース「ん・・・」 残ったボタンを一つ一つ外していくと、無駄なく鍛え上げられ滑らかな曲線を描く腹部が顕になる。 そのシャツも脱ぎ捨てると、長身の褐色の肢体が現れた。 日頃の訓練で鍛え上げられた一切の余計な肉付きのない締まったシルエット。 シャーリー程とは行かなくても、リーネとほぼ互角な豊かだが張りのある胸。 そしてその間に垂れる「一枚」のドッグタグ。 897 名前:Semper Fidelis Pt.3 895部隊内のオッサンポジってのもなかなか面白いよね[] 投稿日:2010/11/06(土) 23 05 35.25 ID DvwweW+80 坂本(・・・妙だな。リベリオンの認識票は二枚式では・・・?) そう、二枚組を身元の識別に遺体には一枚だけを残すのがリベリオンの認識票の使い方だった。 つまり一枚だけ付けて歩くのは死人と同じ、ということだ。 だが最も坂本の目を引いたのはそのドッグタグでは無かった。 ピンと真っ直ぐに伸びた広い背中に、大きな傷跡が走っていた。 左肩から右腰にかけて褐色の肌に白い傷跡が生々しい。 普通なら致命傷になりかねないほど大きな傷だったのだろう。 坂本が注視している間にも、グレースはリベリオン海兵隊支給のオリーブドラブのズボンを脱いで振り返った。 グレース「さぁ、いこうか坂本少佐」 坂本「お、おお。先に行っててくれ」 グレース「分かったよ」 ガラッ 浴場へ通じるドアを開けてグレースが出て行った。 坂本(―――アレは相当な猛者か・・・ 古兵(ふるつはもの)―――いや、武士(もののふ)の貫禄だな・・・) 898 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/06(土) 23 08 03.85 ID DvwweW+80 グレースの体に残る歴戦の爪痕に多少圧倒されたが、気を取り直して風呂に入ることにした。 ガラッ グレース「遅いじゃないか、坂本少佐」 坂本「ああ、すまんすまん」 ザバァッ 坂本「ふぅー、いい湯だなぁ」 グレース「ああ、全くだ・・・」 両「・・・・・・・・・」 しばし流れる沈黙。だが決して気まずい類ではなく、リラックスした静寂。 ふと気になった坂本が問う。 坂本「その・・・少佐、つかぬことを聞いても構わんか?」 グレース「・・・背中の傷、か」 坂本「あ、いや・・・もしよければ、だな・・・」 グレース「すまないが、少佐。これはあまり話したくない事なんだ」 今度こそ気まずい沈黙が流れた。 899 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/06(土) 23 13 06.41 ID DvwweW+80 ザバァッ グレース「先に上がるよ」 坂本「あ、ああ」 ガラッ 坂本は戸を開けて脱衣所に戻っていくその背中から目を離すことができなかった。 いつになく気圧されてしまった―――坂本は不思議な違和感を覚えた。 坂本も扶桑海事変から戦っている古参兵だが、それを凌ぐ何かがグレースからは感じられた。 坂本(一体あいつは戦場で何を見たんだ・・・?) 模擬戦で坂本を任して見せる辺り、相当に腕も立つ。 だがどこか危なげな印象を受けた。 坂本(なんだ、この引っかかる感じは・・・? ・・・まぁいい、少し気をつけて見てみるか) ザァ そう結論づけると坂本も上がることにした。 900 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/06(土) 23 15 24.42 ID InFsn2XO0 背中の傷はなんとかかんとか 901 名前:Semper Fidelis Pt.3 900そこは気にしたらダメだ![] 投稿日:2010/11/06(土) 23 16 22.05 ID DvwweW+80 ~さらに同時刻、隊長室にて~ ガチャ ミーナ「さてと、今日も書類を片付けちゃわないと・・・あら?」 ふと壁際のファイルキャビネットに眼をやると、引き出しがわずかに開いている。 ミーナ「おかしいわね・・・?」 あのキャビネットの中身は501での各隊員の行動、及び評価をまとめたファイルだ。 めったに開けるものではない。 ミーナ「なにかしら?」 立て付けが悪くなるほど古くは無かったはずだが、と気になって引き出しを開けてみた。 ミーナ「別に何も無いわねぇ・・・」 確かに、別に何かが無くなっているわけでもなく異常はないように見えた。 引き出しを閉めようとしたその瞬間、何かがミーナの目に止まった。 ミーナ「あら、これは・・・?」 何か茶色い紙片のようなものがシャーリーのファイルの隅に引っかかっていた。 拾ってよく観察してみると、それは紙片ではないことが分かった。 902 名前:Semper Fidelis Pt.3 900そこは気にしたらダメだ![] 投稿日:2010/11/06(土) 23 21 21.94 ID DvwweW+80 一見紙片ようなそれだったが、手触りが違った。 よりザラッとしていて硬い。 そして何よりも匂いが違った。 ミーナ「これは・・・タバコの葉っぱ・・・?」 自身は喫煙しないミーナはタバコ等には詳しくない。 だが、今この基地内で喫煙者は一人だけ。 否が応にも答えは出た。 ミーナ「グレース少佐・・・?」 ヴゥ~~~~!ヴゥ~~~~! 『敵襲!敵襲!総員航空歩兵発進用意急げ!!全ウィッチは司令室へ!!』 ヴゥ~~~~!ヴゥ~~~~! 警報を聞くと同時にミーナは駆け出した。 今は疑う時ではない、戦う時だ。 501の、いや人類の為に。 疑念は頭の隅に追いやって指揮官としてのマインドセットに切り替えた。 903 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/06(土) 23 25 45.94 ID DvwweW+80 ~司令室~ ミーナ「敵はっ?」 レーダー監視員「はっ、小型ネウロイが二機。 速度から恐らくラロス改級の低脅威度級と思われます」 ミーナ「小型が二機・・・それなら全機出動はいらないわね」 ダダッ シャーリー「中佐っ!」 ミーナ「シャーリーさん、大丈夫。 今回はそう大物じゃないわ」 ルッキーニ「え~、なんだつまんなーい!」 ミーナ「とにかく私はここで指示を出すわ。 今回はハルトマン中尉とバルクホルン大尉に出撃を―――」 グレース「―――待った。 俺も出る」 ミーナ「えっ?」 904 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/06(土) 23 28 38.82 ID DvwweW+80 グレース「いいから俺も出させろ」 ミーナ「・・・いいですけど、あの二人が出れば十分よ?」 グレース「構わん。ここに来た以上出れる戦闘には全て出してもらう」 坂本「・・・まぁ手数が大いに越したことはない。気をつけろよ」 ミーナ「それでは、三人は出撃を。 シャーリーさん、ルッキーニさんは戦闘待機、残りの皆も非常待機ね」 全「了解!」 エイラ「イヤな予感がスルゾ・・・・」 ペリーヌ「あら、じゃぁきっと問題なく済みそうですわね」 エイラ「どういう意味ダヨー!」 ペリーヌ「あなたの占いが当てにならないと言ってるんですわ」 エイラ「ナンダトー、このツンツンメガネ!」 リーネ「エイラさん、ペリーヌさん、落ち着いてください!」 宮藤「そうですよ、今は非常待機中ですよ!」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 906 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/06(土) 23 31 48.66 ID DvwweW+80 ~ハンガー~ ダダッ! 出撃組三人がなだれ込んでくる。 ヒュゥン・・・ピコッ それぞれストライカーを装着し、離陸に備えて回転数を安定させる。 整備班長「ウェポンクレート、開け!」 整備班「クレート、アンロック!!」 ガチャン、プシュー、ガガッ ストライカー格納ユニットに着いたそれぞれの武器を収めたクレートが開き、中から武装が飛び出す。 エーリカ、バルクホルンのMG42に比べてグレースの4連装M2は遥かに重武装だ。 だがストライカーの積載能力と固有魔法も相まって軽々と持ち上げ、弾薬パックを背負った。 ジャキッ、ガチャ 三人がそれぞれの武装に初弾を装填する。 それぞれ口径は違えど、明確な拒絶の表明としてネウロイに振りまかれる鉛の意志。 7.92mmと.50Calという名の人類の代弁、これを持ってまねかれざる訪問者にはお引き取りいただく。 908 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/06(土) 23 33 19.89 ID DvwweW+80 エーリカ「カラヤ・アイン、準備よし!」 誘導員「離陸許可、飛ばしていけ!」 ガチャン、ブァァァァ―――!!! ロック解除と同時にDB-605の軽やかな旋律を響かせて加速、ハルトマンは大空に飛び込んだ。 ゲルト「バルクホルン機、いつでも行ける」 誘導員「離陸良し!」 ガチャン、バババァ―――!! バルクホルンのフラックウルフ Fw190D-9が搭載するJuma213-A液冷エンジンが1700呪力の離陸力を滑走路に叩きつけて離陸していった。 黒羊1 グレース「ブラックシープ・ワン、レディ・トゥ・ローンチ!」 誘導員「ラジャー、クリアフォーローンチ!ぶちかましてこい!!」 ガチャン、ドドドドドォォォォォ――――!!!! カールスラント製魔道エンジンの繊細な音とは全く異なる野太い咆哮。 パワー嗜好のリベリオンを体現するような、正にコルセア=海賊の雄叫びのような野蛮なエンジン音を上げてグレースは飛び立った。 グレース『ブラックシープよりコントロール、全機上がった。これより迎撃に向かう』 ミーナ『こちらコントロール、スペードのエース。了解、そのまま進路260、高度3000で直進してください』 917 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/06(土) 23 53 01.60 ID DvwweW+80 グレース「おいハルトマン、バルクホルン」 ゲルト「何だ、少佐?」 グレース「コイツは俺が喰う。下がっててもらえるか?」 ゲルト「構わないが・・・」 グレース「よし、それじゃぁ俺が先行する」 そう言うとF4Uのスロットルを開けグレースが加速した。 ドドッ、ドドドドドドド―――!! 濃い排気エーテルを残してあっという間に二機を置いて先行していった。 エーリカ「良かったの、トゥルーデ?」 ゲルト「・・・坂本少佐と対等の格闘戦をあのコルセアでやってのけたんだ、大丈夫だろう」 エーリカ「そうじゃなくってぇ~」 ゲルト「分かってる、アイツは確実に死にたがってる」 エーリカ「分かってるのになんで止めないのさ」 ゲルト「言っても無駄だ・・・以前の私のようにな」 エーリカ「ふ~ん・・・」 919 名前:Semper Fidelis Pt.3 支援感謝、さるさん解けたし時間も変わるよ![] 投稿日:2010/11/06(土) 23 57 49.34 ID DvwweW+80 グレース(さぁ掛かって来い、ネウロイ共。 まとめて俺が墜してやる!) 先行していたグレースの目に地平線の上に黒点が二つあるのが目に入った。 ネウロイだ。 グレース『コントール、こちらブラックシープ・ワン。 タリホー!敵ネウロイを発見、ラロス改で間違いない。 エンゲージ これより交戦に移る!』 ミーナ『わかりました。 気をつけてね、グレースさん』 グレース『ラジャー、エンゲージング』 「さぁ、いっちょブチかましてやるか!」 敵はこちらにまっすぐ向かってくる。 ガチャ、ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!! 牽制として.50口径の弾幕を送り込む。 ラロス二機がブレイクした。 921 名前:Semper Fidelis Pt.3 [] 投稿日:2010/11/07(日) 00 03 04.08 ID 8AzpUjqF0 それぞれ斜め上方にブレイクしたネウロイ二体。 そのまま上昇を続けようとする両機にグレースもインメルマンターンで機体を反転させ喰らいつく。 ドドドドド、ドドド、ドドドドド!! 両手のブラウニーM2が野太い銃声をあげながら大口径弾の火線を叩き込む。 ラロスも回避に入って、右、左、と不規則な旋回で振り切りにかかる。 そのうち一機が大きく左に離脱した。 グレース(っち、挟まれると面倒だ) ヒュゥン その一機に気を取られているうちに、もう一機を追い越してしまった。 急旋回で速度を殺してオーバーシュートを狙われ見事に引っかかってしまった。 グレース(クソッ!) ダ、ダ、ダ、ダ、ダ! 背後のラロスから機銃弾が放たれた。 ブァ――ン! 急降下に移ってそれをかわすグレース。 922 名前:Semper Fidelis Pt.3 [] 投稿日:2010/11/07(日) 00 06 11.62 ID 8AzpUjqF0 ブァ―――――――!!! そのまま急降下で一気に高度を下げる、そしてそれに続くラロス。 グレース(っ・・・リバウのラロスより頭がイイぞ、コイツら) 機首を起こして水平飛行に移るが、振り切れない。 前方に眼をやると、もう一機のラロスが2時方向から接近していた。 このままだとヘッドオンだ。 グレース(おもしれぇ・・・ネウロイ如きが俺にヘッドオン挑んでくるたぁここに来た甲斐があった) ラロスと向かい合ったグレースは真っ直ぐ敵に向かって加速した。 ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ! ラロスの機銃弾が真正面から飛来する。 グレース「ンなもん当たるかぁぁぁ!!!オラァァァ!!!」 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!! フルオートでM2を撃ちまくる。 火線が収束してラロスの胴体にヒット、あっという間に装甲を剥がしとって露出したコアまで粉砕した。 グレース『っしゃぁ!ブラックシープ・ワン、一機撃墜!!』 925 名前:Semper Fidelis Pt.3 [] 投稿日:2010/11/07(日) 00 08 03.87 ID 8AzpUjqF0 その勢いで今度は後ろの残り一機を振り払おうと急上昇に持ち込む。 パワーで勝るコルセアが大きく距離を稼いだ。 そのままぐいと機首を挙げて背面飛行に移る。 ラロスもグレースめがけて上昇して飛び込んでくる。 ゴォ――――!! 背面のまま一気にネウロイめがけて降下を掛ける。 ダ、ダ、ダ、ダ、ダ! 飛び込んでくるラロスからの火線をバレルロールで交わし、M2の狙いを付ける。 グレース「これでも喰らえ、黒スケ共!!」 ドドドドドドドドドドドドドドドド!! すれ違い様にミートチョッパーの連射を叩き込む。 胴体表面の装甲が削れて、赤い12面体が現れる。 グレース「そこだっ!!」 振り返って最後の一連射をラロスの胴体の叩き込んだ。 ピキッ、パァーン! 926 名前:Semper Fidelis Pt.3 [] 投稿日:2010/11/07(日) 00 10 19.87 ID 8AzpUjqF0 コアに数発の銃弾が命中して砕け散ったとともに、ネウロイ自体も白い破片へと飛散した。 グレース『スペードのエース、こちらブラックシープ・ワン。敵機全機撃墜!』 ミーナ『お疲れ様、グレースさん。それじゃ、バルクホルン大尉とハルトマン中尉と一緒に帰投してください』 全『了解!』 無事、撃墜スコアに二機追加したグレースも大きく旋回して進路を帰投方向に合わせた。 グレース(良かった、俺はまだやれる。 仲間の代わりに戦えるんだ・・・) いつになく蒼空と白雲のコントラスが鮮やかに感じた。 が、突然穏やかな雲海を割って何かが飛び出てきた。 ネウロイ―――それもラロス級やケファラス、トゥーパリェフとすら比較にならない巨大なネウロイ。 501が普段相手にするX-級だ。 大海を渡る航続能力をもち、大きさも攻撃力も防御力も頻出する中小型ネウロイとは一線を画し、各個体がX-付きの固有番号を持つ正に「規格外」のネウロイ。 それが雲を割って飛び出てきた。 グレース「なんだ・・・アレは・・・」 そう、カールスラント陥落後北方へのネウロイ侵攻を防いでいたリバウでは大海を渡るような規格外のネウロイはそう見られなかったのだ。 927 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00 11 31.15 ID 4gHB0dqK0 バーン ネウロイは爆発した。障気()笑 928 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00 11 57.18 ID 2oVx/wQ80 スイーツやめれwww 929 名前:Semper Fidelis Pt.3 927単体や移動中だと殆ど瘴気の影響はないそうです[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 13 16.15 ID 8AzpUjqF0 応答せよ グレース『コントロール、カムイン!コントロール!』 ミーナ『どうしたの、グレースさん?』 グレース『新手だ!それもバカでかい!!これより交戦に移る!』 ミーナ『待ちなさい!今応援を―――』 グレース『待ってられるか!』 ブツッ ミーナ「ああっもう!レーダーに反応は?!」 観測員「反応あり、定期的に襲来する超大型クラスの模様!」 ミーナ「総員出撃準備を―――!」 『トゥルーデ、聞こえる?!』 ゲルト『ああ、大体聞こえた。もう向かってる』 ミーナ『急いで!グレースさんが危ないわ!!』 ゲルト『分かってる!』 エーリカ『ミーナ、皆もよこして!』 ミーナ『もうシャーリーさんとルッキーニさんが出たわ!私達も直ぐに行くわ!!』 930 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00 13 50.93 ID lcpd5VjD0 バーン!ネウロイは砕け散った。って公式であるんだぜ…… 931 名前:Semper Fidelis Pt.3 930 おっと、南房さんの悪口は(ry[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 15 24.05 ID 8AzpUjqF0 一方、グレースは件のネウロイから発射されるビームの弾幕相手に苦戦していた。 どの位置から近づいても撃ってくるので容易に近づけない。 グレース「くっ・・・まだまだぁ!」 海面近くまで急降下すると水面ギリギリを蛇行してネウロイのビームをかわす。 真下まで来ると機首を引き上げてネウロイめがけて上昇に移った。 キュゥゥゥ、キュゥゥゥ、キュゥゥゥ ネウロイのビームが幾筋も飛んでくる。 グレース「ナメるなっ!」 ドゥッ 防御力の高いコルセアのシールドでビームを受け止める。 グレース「ダァァァァァァ!!!」 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!! .50口径弾をありったけネウロイの下っ腹に叩き込んだ。 ガチガチガチガチン! 4つのチャージングハンドルが全て前進位置で止まる。弾切れだ。 932 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 20 04.05 ID 8AzpUjqF0 グレース「クソッ、ツイてねぇ!」 カチャ、バッ 弾薬バッグを止めている胸のハーネスを外すと、バッグごと4連装M2を投げ捨てた。 そして左右のホルスターからソードオフしたM1ガーランドライフルを二挺抜いて左右に構えた。 グレース「まだ終わってねぇぞ!」 ヴォォォォォ―――――――――!!! 今度は上方から急降下で仕掛ける。 パンパンパンパンパンパンパンパン、キーン! 右手のガーランドの8発のクリップを空にすると独特の金属音と共にクリップが排出された。 パンパンパンパンパンパンパンパン、キーン! 同様に左手のガーランドも撃ち尽くしたが、殆どネウロイには効いていない。 グレース「くぅ・・・!」 ゲルト「少佐っ!」 グレース「バルクホルン!何しに来た! 俺が仕留めると言っただろう!!」 934 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 22 48.56 ID 8AzpUjqF0 バルクホルン「少佐一人じゃ無理だ!」 グレース「いいから下がってろ!」 キュゥゥゥ ドンッ ネウロイの紅い光線がバルクホルン達に気を取られた隙にユニットに命中した。 グレース「しまっ―――うおぁぁぁぁぁ!」 バランスを崩したグレースはそのまま海面まで真っ逆さまに落ちてしまった。 ザパーン! シールドが盛大な水しぶきを上げてユニットごと海中にぶち当たった。 ゴポゴポゴポ・・・ グレース(ま、まだ・・・俺が戦わないと・・・ならな・・いんだ・・・・・・) 海中に沈みながらふと自分の方に向かってくる黒い影をを頭上に見た気がしたが、はっきりと捉える前に意識は遠のいて気を失ってしまった。 ――――――――――――――――――――― ―――――――――――― ―――――― 935 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00 26 21.12 ID 4gHB0dqK0 930 ありゃ、砕け散っただったか 後、今宵のエイラ・イルマタル(ry もな… 936 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00 27 21.52 ID DJxROUoW0 そういや書いてるやつらどれくらい書いてるんだ・・・? 俺はまだようやっと8kなんだが・・・。 937 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 27 44.06 ID 8AzpUjqF0 ――――――――― ――――――――――――――― ―――――――――――――――――――――――― 気がつくとグレースはベッドの上に横たえられていた。 グレース(医務室・・・か? どうやらまだ生きてるみてぇだな・・・) 立ち上がろうと上半身を起こしてみる。 グレース「うっ・・・」 体中が痛む。 ドサッ 結局ベッドに倒れこんでしまった。 ガラッ シャーリー「お、気がついたか少佐」 グレース「私は・・・どうなったんだ。 大型に撃墜されて・・・」 938 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 29 58.86 ID 8AzpUjqF0 シャーリー「ああ、それでハルトマンとバルクホルンが回収した」 グレース「ネウロイ!ネウロイはどうなった!」 シャーリー「あたし達で落としたよ」 グレース「アレをか・・・」 シャーリー「ここじゃいつもの事だよ。 それよりも、だ―――」 ガタッ シャーリーが椅子を引き寄せて背もたれを前に跨ってグレースと向き合った。 「―――なんでそんなに一人で戦う事に拘るんだ? 少佐は飛行隊の隊長だったんだろ?」 グレース「放っておいてくれ」 シャーリー「そういう訳にもいかないな。同じ隊で戦う『仲間』なんだ。 聞かないわけにはいかないよ」 グレース「そんなに知りたいか?じゃぁ教えてやる。 俺は『仲間』を殺しちまったんだよ」 941 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00 35 04.54 ID 4gHB0dqK0 イチャイチャしそうなふいんきなのでグレースの目玉殴っておきますね 942 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00 35 56.41 ID DJxROUoW0 940 うへぇ・・・。そんなストーリー性なんて俺にはないぜ・・・。 キャラとかもあいまいだし・・・。orz それはそうと・・・ルーデルさんの話が書いてほしいなー(チラッ 943 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 36 12.67 ID 8AzpUjqF0 シャーリー「―――どういう事だ」 グレース「これだよ」 チャリ そう言ってグレースが掲げたのは「一枚」のドッグタグ。 シャーリー「なんだよ、それは」 グレース「認識番号23-215-625 エリザベス・アシュマン大尉。 1944年1月3日 KIA(戦闘中死亡)。 俺の相棒だったウィッチだ」 シャーリー「・・・・・・」 グレース「忘れもしないあの日、俺達は船団護衛任務に出た。 リバウの基地から北上した海上でネウロイと交戦に入った。 敵は約70機、こっちは二個飛行隊で30機。 とても勝てるような戦いじゃなかった。 だけど俺達は味方の増援が来るまで粘らにゃならんかった。 その船団が無事にオラーシャ側の前線に物資を届けなけりゃ前線が崩壊しかねない」 947 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 38 36.23 ID 8AzpUjqF0 グレース「だから俺達は無茶と分かってても戦った。敵味方入り乱れての大乱戦だ。 数機落としたところで俺はリズに別れろと指示を出した。それが間違いだった。 俺はエリザベスなら出来ると思ったが、それは俺の思い違いだった。 第一エリザベスも反対したんだ。なのに俺は押し切って散開した。 あっという間だったよ。俺もエリザベスも直ぐに被弾して撃墜された。 それっきりだ。 俺はしばらく漂流して扶桑の潜水艦に拾われた。 でもエリザベスは見つからなかった。 唯一見つかったのはストライカーの残骸とライフル、そして『これ』だけだ」 グレースはそう締めくくると例のドッグタグを改めて掲げた。 少しだけ歪んだ金属の板、それが今やエリザベス・アシュマンという一人のウィッチが存在したことを物語る全てだ。 グレース「俺の過信があいつを殺したんだ。 だから俺は一人で戦う。別にお前らが信用できないわけじゃない。 ただ俺が戦うことで誰かが戦わないくていいなら、その分俺が全力で戦う。 それだけの話だ」 949 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 43 59.37 ID 8AzpUjqF0 シャーリー「そっか・・・、良かったよ」 グレース「何がだ。ちっともいいことなんか無い」 シャーリー「あるさ。 少佐が無理して戦ってるっことはあたし達を失いたくない仲間だ、って認めてくれたって事だろ? それだけであたしには十分いい事だよ」 グレース「フフッ、何だそりゃ」 それまで沈んでいたグレースの顔がようやく緩んだ。 シャーリー「あたしは楽天家なのさ!」 そう言うと笑ってウィンクしてみせるシャーリー。 グレース(あいつも・・・エリザベスもこんな笑い方の出来るやつだったな・・・) 目の前で笑うシャーリーの顔にエリザベスの顔が重なって見えてしまった。 シャーリー「とにかく、これでしばらくネウロイの襲撃は無いと思うからしばらく安静にしててくれよ。 いざ任務というときに動けないと困る」 グレース「分かった。 ・・・ところでイェーガー、国に帰りたいと思ったことはあるか?」 951 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 45 59.62 ID 8AzpUjqF0 シャーリー「国、かぁ・・・そりゃいつかはね。 でも今ここには私の仲間がいて私がするべき事がある。 帰るのはそれが終わってからでいいよ」 グレース「そうか・・・そんなものか。 仮に・・・仮に、だ。上からの命令で帰れと言われたらどうする?」 シャーリー「少佐はジェンタイル大尉を知ってるかい?」 グレース「ドミニカ・ジェンタイル大尉か? 随分広報部がご執心みたいだからな、噂には聞いてるよ」 シャーリー「あたしはここに来る前あいつと同じ第8空軍にいたんだ。 その時聞いた話なんだけど、ジェンタイル大尉も同じようなことを上層部に言われたらしい」 グレース「ああ、また広報部の宣伝戦略って奴だろ? 帰ったら戦時国債キャンペーンに国中ツアーに行かされるらしいな。 それで?」 953 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 50 52.77 ID 8AzpUjqF0 シャーリー「それで、だ。どうしても残りたかった大尉は司令部に辞表を叩きつけてこう言ったんだ。 『帰るくらいだったらいっそやめて義勇軍として残ってやる!』ってね。 その時はむちゃくちゃだと思ったけど、今のあたしなら同じことをするよ。 ここの仲間を残して国へは帰れない」 グレース「確かにムチャクチャだな・・・。」 シャーリー「だろ、でも上層部もエースにやめられちゃ叶わないってんで結局統合戦闘航空団派遣にして前線に残したのさ。 ・・・なんでそんなこと聞くんだ、少佐?ひょっとして国に帰りたいとか?」 グレース「まぁ・・・そんなところだ。深い意味はない」 シャーリー「ふーん・・・ まぁとにかくしっかり休んでくれよ、少佐!」 グレース「ああ、ありがとう」 ガチャ、バタン (『ここには私の仲間がいて私がするべき事がある』、か・・・) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ―――――――――――――――――――――――― ――――――――――――――― ――――――――― 954 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 52 41.40 ID 8AzpUjqF0 ~同日、ブリーフィングルーム~ ミーナ「―――さて、今日皆さんに集まってもらったのは・・・」 ゲルト「グレース少佐の事だろう」 ミーナ「え、ええ・・・ 今回の戦闘での事もそうだけど、グレース少佐は少し危なっかしい気がするわ。 そのことに付いて皆と話し合っておこうと思って」 ゲルト「同感だ。 少佐の戦い方は不安定すぎる」 ミーナ「それに・・・もう一つ。 グレースさんはこの数日間この基地内で何かをしてるみたいなの・・・隠れて、ね」 芳佳「あっ、私も見ました! 始めてグレースさんが来た日の夜通信室で誰かと話してました」 リーネ「わ、私も昨日の夜グレースさんがシャーリーさんのストライカーをいじってるところを・・・」 ミーナ「―――! なぜそれを報告してくれなかったのかしら?」 956 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 54 51.42 ID 8AzpUjqF0 シャーリー「あー、リーネの方に関しては私の責任だ。 私のところに報告に来てくれたんだけど、私が後で伝えておくって言ったんだ。 直後に出撃で忘れちゃったけどな・・・ スマン、中佐」 芳佳「わ、私は・・・その、別に悪いことじゃないんだからいいかなー、って思って・・・」 ミーナ「はぁ・・・ まぁとにかく、グレースさんの件についてはいろいろ怪しい部分があるの・・・ 私もなんとか調べてみようとは思うけど、このまま作戦が発動するのは不安だわ。 だから皆の意見を聞いておきたいの」 ゲルト「私はあんな自暴自棄な戦い方をする奴とは一緒に戦えないな。 こっちにまで危険が及ぶ」 エーリカ「宮藤が来るまで自暴自棄だったのはどこの誰だっけな~ でもわたしもトゥルーデに同意かな。 少佐の今の戦い方じゃ危ないと思う。 それになんか隠し事をされるのは好きじゃないな」 958 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/07(日) 00 56 56.12 ID 8AzpUjqF0 シャーリー「うーん・・・あたしも少佐と話してみたけど、どうもそんな風には思えないんだよなぁ・・・ ストライカーの件にしたって別に何かしてあった訳じゃないし」 ルッキーニ「アタシもー! 最初はちょっと怖かったけど悪い人じゃないと思うー!」 エイラ「―――『運命』の逆位置。意味は『情勢の悪化』ダナ。 ワタシもアンマリ安心は出来ないナー」 サーニャ「そんなことないわよ、エイラ・・・」 ペリーヌ「あら、たまにはエイラさんと意見が合いますのね。 私もあの方は信用できないと思いましてよ」 坂本「まぁそう言うな、ペリーヌ。私は別になんてことは無いと思うぞ」 リーネ「わたしもグレースさんは悪いことをするような人じゃないと思います」 丁度半々と言ったところか、501のグレースに対する印象は割れた。 だがやはり懐疑的な者もそうでない者も多少の疑いは持っていた。 ミーナ「それじゃぁ宮藤さんはどう思うかしら?」 芳佳「えーと私は―――――――――」 960 名前:Semper Fidelis Pt.3[] 投稿日:2010/11/07(日) 01 02 31.13 ID 8AzpUjqF0 さてここで流れぶった切ってアンケートだ この先のストーリーを決める上で芳佳の態度が重要になる さぁここで芳佳はどう身を振るのかお前らで決めてくれ 961 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/07(日) 01 03 09.92 ID QRElvK2YP 好意的な態度で 962 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 01 04 42.81 ID DJxROUoW0 行為的で 963 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/07(日) 01 04 56.58 ID /Cd8cDYt0 おっぱいがおっきい人は正義 967 名前:Semper Fidelis Pt.3 961-962好意的把握[] 投稿日:2010/11/07(日) 01 09 02.48 ID 8AzpUjqF0 芳佳「私は――――グレースさんを信じます。 おかしいですよ、同じウィッチ同士なのに疑りあったりするのは」 ミーナ「そう・・・ どちらにしろこれでは安心出来ないから私も調べてみるわ。 ・・・・なにも無いといいのだけれども」 Semper Fidelis Pt.3 End To be Continued - -
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タグ 曲名き 歌 美郷あき 作詞 畑亜貴 作曲 加藤大祐 作品 マブラヴ(全年齢版)ED 「divergence」PCゲーム「限定解除版 マブラヴ」ヴォーカル集
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第四話 新しい第一歩じゃん? 俺「ふんふんふふーふーんふんふんふっふっふふーんふーん」 シャーリー「よーう。今日はやけにご機嫌じゃないか」 俺「ふふふ・・・こうやってストライカーユニットをいじってるときが至福の時なのさ」 シャーリー「わかるぜー。何かをいじってる時って楽しいもんなー」 俺「しかもただのストライカーユニットじゃなくてジェットだぜジェット。最新鋭の機体を弄れるとかこれ以上ない最高の悦びだよ」 チーター「最高の悦びとか少し引くじゃん・・・」 俺「うっせ、餌抜きにすんぞ」 チーター「横暴じゃん!使い魔虐待反対じゃん!」 俺「聞こえんな」 チーター「誰のおかげで役立たず卒業できたと思ってるじゃん?」 俺「しいていうなら俺の実力、才能・・・かな」 チーター「俺が特別な使い魔だからあの状態までもっていける訳じゃん!俺のおかげでもあるじゃん!」 俺「別にお前じゃなくたって」 チーター「がるるるる」 俺「じゃんじゃんじゃん」 シャーリー「ほんと仲のいいコンビじゃないか」 俺「どこが!」 チーター「どこがじゃん!」 シャーリー「息もぴったりじゃん」 俺「はぁ・・・ストライカー弄りに戻る」 チーター「昼寝のし直しじゃん」 シャーリー「二人とも素直じゃないな~」 ミーナ「思わぬ収穫があったわね」 坂本「そうだな。これで戦力増強は確実になったな」 ミーナ「俺さんもあんなことができるなら隠さなくてもよかったのに」 坂本「仮にも大佐にまでなった男だ。何か隠しているとは思っていたぞ?」 ミーナ「私は何かの間違いじゃないのかと思ったわ」 坂本「二度も役立たずぶりを見せつけられてはな・・・」 ミーナ「ほら、美緒だってそう思ってたんじゃないの」 坂本「しまった」 ミーナ「別に大丈夫よ。俺さんには悪いけど、みんなそう思ってた事でしょうし」 坂本「それもそうだな」 俺「√!!」 シャーリー「どうした?」 俺「今、どこかで誰かが俺の噂をしていたような・・・」 シャーリー「きっと前に居た舞台の仲間が今頃、俺は何してるのかって噂でもしてたんじゃないか?」 俺「それもそうだな。今頃、俺が居なくなって寂しいなって話でもしてるんじゃないかな」 ー ー ー ー ー 地球上のどこか ???「暇だな。何か面白いことはないのか」 ???「ないんダナ」 ???「面白いことをしたいならどうしてチーター達をロマーニャになんかへ行かせたんだよ」 ???「なら代わりにお前が行ってくれたか。???」 ???「それは勘弁」 ???「だー!煩いぞ、昼寝の邪魔をするな!」 ???「ぎゃー!かみつかれるー」 ???「あいつはちゃんとやっていけてるだろうか・・・」 ???「心配はいらないんダナ。きっとうまくやってるんダナ」 ー ー ー ー ー チーター「おもちゃが居なくなってつまらないって言われてるんじゃないか?そういうポジションだったじゃん?」 俺「・・・」 シャーリー「結局今も前もあまり変わらないのか・・・」 俺「チーター・・・飛ぶからついてきてくれ」 チーター「今日はまだそんな気分じゃないじゃん。お昼ごはん食べた後にするじゃん」 俺「お前もかチーター!」 シャーリー「ははは・・・」
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異世界のウィッチその3 ――――――――― ドタドタ ルッキ「シャーリー!」バーン! シャーリー「お、やっぱり来たか」 俺「・・・あんたの差し金かよ」 シャーリー「まあな。良かったな、ルッキーニ」 ルッキ「うん!あ、シャーリーもしよー」 シャーリー「ああ、いいぞ」 ルッキ「うん!・・・じゃ、探しにいこー!」 シャーリー「おおー!」 ・・・いや、ちょっと待て。 俺「おい」 ルッキ「ん?なにー?」 俺「三人で鬼やるのか?」 ルッキ「うん!」 ・・・マジかよ。 ―――――――――基地内 ルッキーニは先行してどっかに行っちまったので、 俺とシャーリーの二人で隠れている奴ら(宮藤・リネット・ペリーヌ・ハルトマン)を探すことにした。 俺「・・・あいつら、隠れるの上手いな」 5分は隠れそうなところを探しているのに、影すら見えない。 シャーリー「ま、普段からルッキーニに絡まれてつき合わされてるからな。自然に上手くなったんだろうな」クスッ 俺「・・・ったく・・・」クスッ シャーリー「・・・お、今笑ったな」 俺「・・・」 あんたにつられて出た苦笑みたいなもんだけどな。 シャーリー「二ヶ月ぶりじゃないか」 俺「・・・笑うような出来事がなかったからな」 シャーリー「中に入れば笑えるような出来事があっても、それに入り込もうとしなかったんだろ」 俺「・・・」 ・・・そう、なのだろうか。 シャーリー「ハルトマンも言ってたろ、お前は笑ってるほうがいいってさ」 俺「・・・」 シャーリー「・・・なあ、俺」 俺「なんだよ」 シャーリー「悩みがあるなら相談しろよ。私たちは仲間だろ?」 俺「・・・俺の場合は相談したって解決するような悩みじゃないんだよ。それに、俺は」 シャーリー「俺はお前らのことを仲間だなんて思ってない、とでも言うつもりだろ?」 俺「・・・」 やっぱり、魔女って人の心を読めるのか? シャーリー「残念だけどな、私たちの中でお前のことを仲間じゃないなんて思ってる奴はいないぞ」 俺「・・・そうなのか?」 シャーリー「ああ。それに、ぶつくさ言いながらでも一緒に戦ってくれるお前のこと、私は嫌いじゃないぞ」 ・・・ シャーリー「あとな、初めから解決しないって決め付けるのはどうかと思うぞ」 俺「・・・なにか、方法を知ってるのかよ?」 シャーリー「いや、知らないけど」 俺「・・・ハッ、なんだよそれ・・・馬鹿じゃねーのか」 シャーリー「・・・やっぱり、お前は笑ってるほうがいいぞ」ニコッ 俺「・・・余計なお世話だ」クスッ シャーリー「・・・なあ、俺?」 俺「なんだよ」 シャーリー「答えたくないならいいけど、お前、元の世界でやり残したこととか、あるのか?」 俺「・・・」 考えてみた。やりのこしたこと・・・。 俺「・・・両親」 シャーリー「え?」 俺「・・・両親に、別れの言葉を言えなかった」 シャーリー「・・・」 俺「それだけが、心残りだ」 ・・・言われて思った。俺は、本当に元の世界に帰りたいのだろうか。 それだけのことを、切実に思っていたのだろうか。 両親にたった一言言いたいがために、周りをギスギスさせてしまっていたのだろうか・・・ ―――――――――――― 外で大声が聞こえた。 ルッキ「あー!中尉みっけー!」 シャーリー「おっ、行ってみるか」 俺「ああ」 ――――――――― 声の方向へ駆けつけてみた。 エーリカ「ありゃ~、見つかっちゃったか~・・・ふぁーぁ・・・ん?やあ、俺」 俺「・・・どこに隠れてたんだよ」 エーリカ「木の上」 俺「は?」 ルッキ「中尉、寝てたよね」 シャーリー「あー・・・」 エーリカ「うん、かくれんぼのついでに昼寝しようと思ってさ」 ・・・どんだけ自由人なんだよ。 俺「・・・そこで寝て大丈夫なのか?身体痛くなるだろ」 エーリカ「大丈夫大丈夫。さて、他の人も探さないとねー・・・俺、一緒に探そ」 俺「わかった」 ルッキ「じゃあシャーリー、一緒に探そ」 シャーリー「ああ」 ―――― またもや探すこと3分。 エーリカ「いや~、見つかんないねぇ」 俺「・・・どこに隠れたのか見当はつかないのか」 エーリカ「みんなバラバラに隠れないと意味が無いからねぇ。まったく見当つかない」 俺「・・・はぁ」 俺は溜め息をついた。 エーリカ「溜め息は幸せが逃げるよ」 その迷信ってこの時代からあったのか? 俺「溜め息程度で逃げる幸せなんかいらねーよ。それに、あんただって溜め息くらいつくだろ?」 エーリカ「まあ、そうだけどね。・・・君の場合、その溜め息程度が積み重なって、 こんな異世界に飛んじゃうなんて不幸が起こっちゃったのかもしれないよ?」 俺「・・・」 エーリカ「・・・でも、君みたいな良い人が不幸になるなんて、納得いかないねぇ」 はぁ? 俺「・・・お前、俺の何を見てきたんだよ。俺が良い奴になんて見えるか?」 エーリカ「見える見える。・・・この基地の中じゃ、誰も君の事を悪い奴だなんて思ってないよ」 俺「・・・」 エーリカ「悪い奴だとは思ってないけど・・・」 俺「・・・なんだよ」 エーリカ「このままだと、嫌な奴に格下げされちゃうかもしれないよ」 俺「・・・それでいいのに。そのほうが楽だよ。元の世界に帰るとき、なんの後悔も無く帰れるのに」 エーリカ「ダメだよ。君が良くても、私達がよくない」 俺「・・・」 エーリカ「そんな別れ方じゃなくてさ、どうせなら、もっと、惜しむような別れかたをしようよ。 私は、そんな、お前が居なくなってせいせいするぜ、みたいな別れ方はしたくないんだ。 だからさ、俺。お互い、爽やかな別れかたをするために、君には私達を受け入れて欲しい」 俺「・・・受け入れてるさ」 嘘を付いた。・・・二ヶ月経った今でも、俺はこの世界の何も受け入れてなんていない。 エーリカ「嘘付け」 ・・・やっぱり・・・魔女って、心読めるんだな。 俺「・・・バレたか。俺って、そんなにわかりやすいか?」 エーリカ「うん。凄く。・・・で、どう?」 俺「・・・考えておく」 エーリカ「うん。それでいいんだよ。・・・まあ、ようするにさ、 無理して突き放そうとしないで、今を楽しく、気楽に生きようよってことだよ」 俺「あんたみたいにか?」 エーリカ「あ、それはやめといたほうがいい。口うるさい軍人にしょっちゅう説教を食らうことになるから」 俺「ハハッ」 エーリカ「・・・あ」(ようやく笑ってくれた・・・) 俺「どうした?」 エーリカ「なんでもないよ。・・・あっ」 エーリカ「リーネ見っけ!」 ――――――――― リーネ「見つかっちゃいましたか・・・ってあれ?」 俺「なんだよ?」 リーネ「俺さんもやってるんですか?」 俺「・・・まあな」 タッタッタッ ルッキ「あ!リーネ見つかったの!?」 エーリカ「うん」 ルッキ「そっかー・・・じゃあ、次は、俺!一緒に芳佳を探そ!」 俺「わかったわかった、わかったから引っ張るな!」 シャーリー「じゃ、私たちも三人で探すか」 リーネ・エーリカ「了解!」 ―――――――― ルッキ「うじゅ~・・・芳佳見つかんない・・・」 さっきからそればっかりだな。お前ペリーヌのこと忘れてるだろ。 俺「・・・こういう場合、意外な場所にいたりするんだよな」 ルッキ「そうなの~?」 俺「・・・例えば、・・・どこだろ」 ルッキ「じゃあ、談話室行ってみる?」 ・・・意外とあるかもしれないな。 俺「行ってみるか」 ルッキ「うん!」 ・・・ ふと、疑問に思った。 俺「おい、ルッキーニ」 ルッキ「なぁに?」 俺「なんでお前、俺をかくれんぼに誘ったんだ?」 ルッキ「ん~?えとねー、一緒に遊びたいから!」 ・・・ 俺「・・・なんで、俺と一緒に遊びたいんだ?」 ルッキ「もっと、俺と仲良くなりたいから!」 俺「なんで、俺と仲良くなりたいんだ?」 ルッキ「仲が悪いよりは良い方がいいでしょ? それに、えと、仲良くなって、もっともっと、俺のことを知りたいの!それに・・・」 俺「それに?」 ルッキ「俺、ずっと怖い顔してばっかりだったから・・・ 一緒にかくれんぼして、笑ってくれたらいいなって、思ったの」 俺「・・・そうか」クスッ ルッキ「あ、笑った!」 ―――――――― 本当に宮藤は談話室にいた。ルッキーニ達がいなくなったのを見計らって談話室に戻ったらしい。 宮藤「よくわかりましたね!見つからない自信あったのに」 灯台下暗しってやつだな。 ルッキ「俺が言ったんだよ!意外なところに隠れてるかもって」 宮藤「俺さんが?」 俺「・・・まあな」 俺はそっぽを向いた。 宮藤「・・・良かった。俺さん、元気になったみたいで」 俺「は?」 再び宮藤のほうを向いた。 宮藤「みんな、俺さんが元気ないって心配してたんですよ」 俺「・・・」 宮藤「・・・俺さん。辛いことがあるなら、私達が支えてあげますよ。遠慮なく頼ってください。 ・・・だから、私達が辛いときは、私達を支えてくださいね、俺さん。私達、俺さんのこと、信頼してますから」 ・・・この世界の奴らは、わけがわからない。 俺「・・・俺はそんなに大したことはできないけどな。ま、考えとくよ」 宮・ル「!」 これでルッキーニは満足したようで、シャーリー達を探した後、かくれんぼの終了を宣言した。 おい待てルッキーニ。だから誰か忘れてるだろ。 ペリーヌ「・・・」 ――――――― ミーナ「ルッキーニさんと遊んであげたんですって?」 夕食の後、ミーナから尋ねられた。 俺「まあな」 ミーナ「・・・ふふっ、良かった」 俺「良かった?」 ミーナ「ええ。少しは打ち解けてくれたみたいで嬉しいわ」 ・・・本当に、この世界の奴らは、わけがわからない。 俺「なあ、教えてくれないか」 ミーナ「なにかしら?」 俺「なんで、みんな、俺なんかに、こんなに良くしてくれるんだ?」 ミーナ「・・・どうしてかしらね。私にもよくわからないけど、放っておけないっていうか・・・ とにかく、みんなあなたのことは単なる戦力とだけ考えてるわけじゃないのは確かよ。私も含めてね」ニコッ ――――――――俺の部屋 俺「・・・」 一体、この世界のウィッチってのはなんなんだ。 俺はそのうちいなくなる存在なのに、どうしてそこまで俺に関わろうとするんだ。 分かれるときに辛いだろ。 ・・・待てよ、よく考えたら、俺は本当に元の世界に帰れるなんて保障はないのか。 帰れるとしても、いつになるのかわからないのか。 だったら、あいつらの言うとおり、あいつらの気持ちを受け入れてもいいのかもしれないな。帰る、そのときまで。 仲が悪いよりは良い方が、良いんだよな。・・・辛かったら、相談してみていいんだよな。 ・・・気楽に、前向きに考えてみた。 ・・・不思議と、嫌な感じが俺の胸から消えていた。 コンコン またドアがノックされた。 俺「誰だ?」 サーニャ「私です」 またあいつか。 ―――― ガチャ 俺「・・・」 サーニャ「・・・俺さん」ニコニコ サーニャは、何故か微笑んでいる。嬉しいことでもあったのか? 俺「なんだ?」 サーニャ「・・・俺さん、表情が少し柔らかくなってます」 俺「あ゛?」 ・・・ 俺「そんなに、硬い表情してたか、俺」 サーニャ「はい。・・・みんな、心配してました。エイラも」 あいつが?・・・サーニャ以外には興味なさそうなあいつが? 俺「・・・そうか」 ・・・心配かけるのは、よくないな。心配かけてちゃ、お互い楽しく過ごせないよな。 俺「気をつけるよ」ニコッ サーニャ「あ・・・」 俺「どうした?」 サーニャ「い、いえ!なんでもありません!///」タッ そう言って、どっかに行っちまった。 ・・・今日は、久しぶりに熟睡できそうな気がした。 異世界のウィッチその5
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D.H.N俺 第5話「憂愁のロマーニャ」 後半部 シャーリー「お~、このケーキおいしいな!!これ、あたしに1つ!いや2つ頼む!」 宮藤「あ、ずるいです!私もこのケーキをひとつお願いします!」 ウェイター「かしこまりました」 シャーリー「それにしてもルッキーニと俺はどこにいったんだろうなー」 宮藤「うーん、どこにいったんでしょう。でも俺さんがついてるなら大丈夫だと思いますけど」 シャーリー「うーん、でもちょっと心配だ」 宮藤「シャーリーさんはルッキーニちゃんのお母さんみたいですね」 シャーリー「なにぃ……?あたしはまだ16歳だぞー!!」 宮藤「でも二人をみてるとそんなふうに感じます」 シャーリー「なんてこった……あたしはもう一児の母に見えるのか」 宮藤「ほ、誇るべきですよ!母性があるってことですから!」 シャーリー「慰めにあまりならないぞ」 ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!! シャーリー「警報!?ネウロイのやつら、ここまで南下してきてるのか!!」 宮藤「行きましょう、シャーリーさん!!」 シャーリー「ああ!ルッキーニたちはあとでくるはずだ!!」 ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!! 俺「チッ!ネウロイか、こんなときに……!」 ルッキーニ「俺!戻らないと!」 俺「ああ、すぐに戻るぞ!」 マリア「ま、待ってください、ふたりとも!すぐに避難してください!!」 俺「マリアこそ避難しろ。俺たちは大丈夫だ」 マリア「私だけ避難するなどできません!!」 俺「……じゃあ人々の避難誘導と頼む。慌てているだろうから落ち着かせてな」 マリア「……わかりました。でもあなたたちは!」 ルッキーニ「あたしたちは行かなきゃ!」 マリア「どこへ!?」 ルッキーニ「あそこ!!」ビッ ルッキーニは小走りしながら上を向かずに指だけ空を指差す。 ふっと見上げたマリアがみたのは、空へと昇っていくすでに鉄の翼を持った二人のウィッチ。 その瞬間理解した、この二人もまた、ウィッチなのだと。 マリア「二人は―――あれ、いない……」 俺「ルッキーニ、マリアはな、このロマーニャの王女様だ。だからああやって言ったことを受け止めてやってくれ」 ルッキーニ「えぇっ!?マリアって王女様だったの!?」 俺「そうだ、たぶんにそろそろ公務をしなければならない年頃だろう」 ルッキーニ「……じゃあ会えなくなっちゃうの?」 俺「そんなわけはない。だが、ここでネウロイを倒さないと二度と会えなくなる」 ルッキーニ「むー!!それはダメー!」 俺「なら倒さないとな。それに、ロマーニャを守らないと」 ルッキーニ「うん!!俺、いくよ!!」 俺「この先をまっすぐいけばトラックがある。だから走れ。俺は街の人々を誘導する」 ルッキーニ「わかった!」 広場に差し掛かったところで俺は体の向きを変え違う方向へ。 ルッキーニはまっすぐトラックへと向かう。 俺は人通りが多いであろう大通りへと走る。 人はまだごった返しになっていると思ったからだが……。 予想に反し、大通りにたどり着いた時にはすでに人の姿は少なく避難が滞りなく進行していた。 ふとマリアを見つける。 俺「マリア!人は?」 マリア「たった今誘導しているところです。ここの大通りの方は大丈夫ですよ」 俺「かなりいい手際だな。軍もびっくりだ、助かるよ」 マリア「でもこの子供が……親とはぐれてしまったようで」 子供「ひぐっ……うわーん!!おがあ゛ざ~~ん゛!!!」 俺「困ったな。仕方ない、とりあえずこの子を連れて避難をしてくれ」 マリア「はい、わかりました」 俺「探すのは……まぁなんとなるだろう。マリアならな」 マリア「ふふっ、わかっています。それよりあなたは……俺さんなのですか?」 俺「……ふん、そんなことは後回しだ。行け!」 マリア「はい!」 マリアが子供の手を引っ張ってその場を去ろうとした瞬間。 視界の端に僅かな赤い線が走ったのを捉えた時、驚異的反応速度で俺はマリアの前に立ちふさがった。 俺「!!?? 待て!!動くな!!!」ヒュッ マリア「え?―――きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 ビシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン―…ズガガガガガガッ!! フシュゥ…… マリアが子供を連れて逃げようとした突如、上方からの図太いビームが的確に飛来した。 そのビームは大通りの石床をがりがりと削り高く煙と砂を巻き上げる。 ルッキーニや宮藤、シャーリーは確実にビームに飲み込まれただろう、と思った、間違いなく。 大きな声が上から響く、ルッキーニの声が。 ルッキーニ「マリア!!俺!」 マリア「あぅ……うぅ……」ギュッ 子供「うぐっ……ひぅ……」 俺「ふっ!」ガラガラ… ルッキーニ『俺!!マリアは!??」 俺『大丈夫だ。すべてシールドで守りきった』 ルッキーニ『よ、よかった~……』 俺『全機、ネウロイの核は頭部付近だ。こぼれたビームは俺がすべて叩き落す。だから安心して戦え』 宮藤『一体どうやって……』 シャーリー『まさか俺、ネウロイ化するのか?』 俺『ああ、あまり乗り気じゃないがな。さて、三人とも、集中しろよ……!』 マリア「俺さん!腹部と右腕に怪我が!!」 俺「咄嗟のシールドでは全部守りきれなかったからな。体も盾にした」 マリア「そんな!い、今すぐ手当を!」 俺「必要ない。マリア、その子供の目を塞いでおいてくれ。ここからは嫌なものを見せる」 マリア「何をおっしゃって……」 俺「関係のないやつばかり狙いやがって。ふー……ぶっ飛ばしてやるぜ……」 マリア「―――!!」 T R A N S F O R M ! ! ! N E U R O I ! ! ! 〔―――SYSTEM CHECK―――〕 ACCESS CODE [SIg*op/VAQ] Nigritude... Exclusiveness... Ubiety... Reincarnation... Oppressor... Ideal... ...............ALL COMPLEAT! I m gonna kick neuroi s fucking ass! 〔―――STARTING―――〕 心臓部が一気に漆黒へと染まり、そこから黒のベールが溢れ出す。 そのベールが体を伝っていき、ドロリと輝くものがかちこちと固まっていく。 目を覆う赤いシールド、斬り殺すような黒い手、黒に輝くボディ、真紅のコア。 わずかに痛んだ心はすぐに敵への闘争心にかき消され、えぐれた腹部とひしゃげた右腕は恐ろしいスピードで回復し 悲しみを潜んだ瞳はすぐに憎しみが込められた。 俺『三人とも、一箇所を集中攻撃だ。全弾撃ちこんでやれ!』 マリア「あ……ひぅ……!そんな……」 俺「……マリア。避難するか、またはそこから動くなよ」ギリッ… 人型のネウロイである俺がマリアの瞳にはどう写っているだろうか。 ……想像には堅くないし、こういうのもずいぶんと慣れたものだ。 ありがたいことに子供はマリアがぎゅっと抱きしめて顔を隠しているので、俺の姿は見えない。 シャーリー『ルッキーニ!装甲を打ち破ったら突撃するぞ!宮藤は援護を頼む!』タタタタ ルッキーニ『うん!』 宮藤『了解です!』ダダダダダ 俺『三人とも!ネウロイをこれ以上南下させないようにも注意しろ!』 宮藤『了解です!俺さんも街をお願いします!』 俺『もちろん、任せろ』 シャーリー『俺!攻撃がくるぞ!』 俺『了解……!』キュィィィン 右腕にエネルギーが収束し始める。 そして圧縮した瞬時に解放。 ネウロイの全身から放たれた赤い閃光をすべて目で捉えると同時にその一つ一つに向けて寸分のズレもなく迎撃を開始。 ビームとビームが重なり合うたびに、ネウロイから放たれるビームはすべてへし折れるように屈折していく。 地上と空の中空で紅光のイルミネーションが展開され、光は消えては走り折れては駆けることを繰り返す。 俺『宮藤!次の攻撃にシールドを展開してくれ!次弾、高圧縮で攻撃する!!』 宮藤『わかりました!』 シャーリー『ルッキーニ!すぐ後に続くぞ!!』 ルッキーニ『うん!』 ネウロイ右翼・左翼から体中央部へと光を凝縮……そして俺への圧縮された殺人的ライナーなビームを撃つ。 しかし、俺にはその攻撃は届かない。 間に割入った宮藤がシールドを全力で展開、ビームと衝突。 宮藤『あくぅっ!!お、俺さん!!』 俺『感謝する宮藤!!砕けろ、ネウロイぃぃ!!』キュィィン 右腕に高圧縮された閃光をネウロイへと放つ。 宮藤のわずか横をひゅんと通り過ぎ……高速、空気を裂き……轟音、衝突。 ネウロイの本体を右翼含め大きくえぐりとった、そして白煙が舞い散る中その隙を狙う者は……。 俺『コアが見えたぞ!!いけ!!』 シャーリー『そぉぉりゃぁぁぁぁぁっ!!!』ブンッ ルッキーニ『いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!』 ロマーニャの希望の星が、光の隙間を縫い、敵コアめがけての突撃。 多重のシールドに付加された魔法が光熱を開放、熱をまとった強力な一撃がコアを……。 貫通。 パキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン――…… ルッキーニ『へっへーんだ!!みったかー!』 シャーリー『あははっ!よくやったな、ルッキーニ』 ルッキーニ『でしょー!?ロマーニャに手出しなんかさせないんだから!』 俺『ふぅ……敵機の消滅を確認。宮藤、けがはしてないか?』 宮藤『あ、はい!全然大丈夫です!それより俺さんこそ怪我してませんか?』 俺『……いやしてない。大丈夫だ。それより街に被害はあるか?』 宮藤『えーと、ほとんど見当たりませんね』 俺『よかった。それなら安心だ』 ぎゅっと握った拳を解いた後、全身の力を抜いてネウロイ化を解除した。 パキンとガラスが割れるような音をたてて、黒いスーツは砕け散り元の人間らしき姿へと戻る。 俺「……マリア、怪我はないか?」 マリア「あり、ません」 俺「そう、か。ならいい。……この街への被害もほとんどないそうだ。たぶん負傷者もいないだろう」 マリア「それなら、いいです。でも避難の際怪我をした人もいると思いますから、それは」 俺「それは、他の人間に任せるんだな」 マリア「……」 俺「……」 俺とマリアの間を沈黙が支配する。 子供はマリアの腕の中で抱きしめられており、すでに泣き止んでいた。 その雰囲気が嫌になり自分から話し始める、目を逸らしながら、かつマリアが俺をみつめているのを無視して。 俺「今日はハプニングだらけだったな。本当にすまなかった」 マリア「あ、いえ、私のほうこそすみませんでした。色々迷惑ばかりかけて」 俺「そろそろ、公務につかなきゃいけない時期だろう。一回だけでも街を見ておきたかったのか?」 マリア「はい。私は、この街を見て、聞いて、知らなければならなかったのです。人々の暮らしや生活、文化などを……」 俺「自分の育った国で、街だしな。帰ったら他の者達に謝っておけよ」 マリア「わかっています、でも、どうしても知りたかったから」 ルッキーニ「おーい、マリアー!!」 マリア「?」 俺「ルッキーニ、どうした?」 ルッキーニ「マリア!!ロマーニャの街並みをみせてあげる!!きて!」 マリア「え?」 俺「ルッキーニが空からロマーニャを見せてくれるそうだ。いい機会だ、行ってきたらどうだ?」 マリア「……はい!最後にみてきます!」 ルッキーニがマリアの手をひっぱって少しだけ持ち上げた後、絵になるようなお姫様抱っこをして上空へとあがった。 シャーリー、宮藤はインカムを外し地上へと降り立った。 見上げながら思うが、あの二人が笑いながら何を話しているのだろうかは定かではない。 ただ、二人にとっては俺たちより思い入れのある街だから……きっとずいぶんと楽しい話なんだろうな、と密かに思っていた。 夕焼け時― 俺「じゃあなマリア。がんばれよ」 マリア「はい!任せてください!」 ルッキーニ「また遊ぼうね、マリア。絶対だよ!」 マリア「ふふ、じゃあずっと友達ですね」 ルッキーニ「あったりまえだよ!」 俺「寂しかったらまたお忍びで基地にでも来るんだな」 マリア「それじゃあまた皆に迷惑かけてしまいますから。でも、ぜひ」 ルッキーニはマリアに抱きついて離れなかったが、シャーリーの説得でなんとか離すことができた。 終始笑いながら俺達を見ていたマリアだが、ふと俺に聞きたいことがあると言ってきたので少し三人とは離れた。 俺「どうした?」 マリア「一つ、聞いてもよろしいでしょうか?」 俺「……どうぞ」 マリア「あなたは、人間……ですか?それとも―――ネウロイですか?」 俺「それは……」 マリア「質問を変えます。あなたは、なぜこの街を守ってくれたんですか?なぜ、ネウロイと戦うんですか?」 俺「……それは俺が―――」 迷った。 ウィッチであるから―――答えられるわけがない。 ヒーローであるから―――答えられない。 男であるから―――関係ない。 戦えるから―――漠然としすぎている。 憎んでいるから―――答えられない。 俺が街を守ったのは……同じ人間であるから? 今は……答えを出しにくい。 ただ1つだけ言えることがある。 俺「……」 マリア「答え、られませんか?私は、あなたの言葉で聞きたいんです」 俺「わかった、答えよう。それは―――きっと、俺が、誰かを守れる力を、持っているからだ」 マリア「……問います、本心ですか?」 俺「たぶん、本心だろうな」 マリア「……ふふっ、相変わらず曖昧な答えを返しますね」 俺「だが、今みんなと共にネウロイと戦っているってことは、そうなんだろうな、きっと」 マリア「ええ、そうだと思います。失礼な質問をして申し訳ありませんでした」 俺「いやいや、全然気にしないでくれ」 マリア「先程の私の問には私が答えましょう」 俺「?」 ……黒服の男たちが知らぬ間に俺の後方30mにいた。 マリアはそちらに軽い足取りで歩きながら、少しだけ笑う。 そして俺を通り過ぎると同時に、かすかな声で俺の耳元へむけて告げる。 俺さんは、俺さんです。私が保証します。 と、それだけを言って黒服の男たちのもとへと歩きさっていった。 俺はそれを見送りながら今日買ったタバコを取り出して一本だけ咥えて火をつける。 煙が夕日に紛れてオレンジ色に見える。 それを通してマリアの背中を見送りながら、後ろで呼ぶ声に引かれてゆっくりと歩き出す。 こんな返し方をされたのは初めてだな。 つまり、答えとしては、俺はまだ人間であると言いたかったのだろうか。 ……少しだけ嬉しかった。 俺「ありがとう」 軽く言い残した後、言いたかったことがあってふと振り返って口を動かす。 だが。 それでも。 俺はネウロイだ。 と。 ロマーニャの街をでて幾分か運転したところだ。 私は隣に座っている少し気分が落ち込んでいるような俺の顔をちらりと見る。 それが気になって、ルッキーニも寝ているだろうから、俺に声をかけた。 シャーリー「なぁ俺?」 俺「なんだ?」 シャーリー「ルッキーニに聞いたんだけどさ、俺ってマリアの古い友だちだったんだって?」 俺「ああ、そうだ。結構前にな。ちょっと怪我でロマーニャ公の宮殿に墜落して、運良く助かって、偶々マリアの教育係的なのをさせられていた」 シャーリー「へぇー、それはすごいな。てかロマーニャ公もよくそんなことをさせたなぁ」 俺「まぁ気まぐれか、はたまた俺を知っていたかのどちらかだろうな」 タイヤが地面と擦れてじゃりじゃりという音が車内に響く。 もう日は下がってきているのだが、基地に着くまでにあと少しかかるといった感じだ。 運転は実に温厚に落ち着いてしているつもりなのだが、実に私らしくなくて少しだけ違和感を感じる。 俺「……前に言わなかったが、俺はダイナモ作戦の折に死んだんだよ」 シャーリー「どうしたんだ、突然」 俺「マリアと会ったのはダイナモ作戦終了後。そして死んだのはその前」 シャーリー「……っていうことはその時にはネウロイの体になっていたのか?」 俺「正確には、ネウロイ化に耐えうる身体改造が始まっていたということだ」 シャーリー「マリアと会った頃にはすでに改造が……」 俺「そういうことだ。ネウロイ化が完璧にできるようになったのはここ1年半くらい前のことだ。……マリアを騙していたのさ、俺は」 最後の言葉だけ嫌に聞こえてしまった。 たぶんマリアに色々と聞かれたのだろう。 話の流れからするに……マリアが知っていた俺はネウロイだったのか、信じていたのはネウロイだったのか、ということだろう。 それで落ち込んでいるとしたら、何か言わなきゃいけない気がする。 シャーリー「騙してなんかないさ」 俺「?」 シャーリー「俺は、俺だからな。人間だろうとネウロイだろうと、変わらないさ」 俺「……すまない、ちょっと意味がわからないな」 シャーリー「わからなくてもいいって。とりあえず、大丈夫だって信じておいてくれ」 俺「無根拠すぎる」 シャーリー「私が大丈夫って思ってるから、ってのはだめか?」 俺「……ははっ、なんだそりゃ」 シャーリー「あたしの中じゃ今でも俺はリベリオンのヒーローだよ」 俺は顎に手をあてて考え事を始めた、いくら考えてもわからないっていうのに。 私は横で軽く笑いながら、俺を少しだけさらにからかう。 このことに関して、俺に対し少々勘違いしていたところもあって、私はちょっと意外だった。 私の想像上人間としてずば抜けていて、タフで、強靭な精神をもっているウィッチかと思っていたのだが。 接してみると繊細で臆病な男だった、別に失望したわけでもなくちょっと親近感が湧いたし。 シャーリー「なぁ、俺」 俺「ん?」 シャーリー「また色々と話してくれたらうれしいって思うんだがだめか?」 俺「そんなわけあるか。またいつか話せる時に話すさ」 シャーリー「でも、無理はするなよー」 俺「困ったら泣きつくさ」 シャーリー「そんときは私の胸で泣くといいさ!ってね」 俺「ははっ、本当にいいのか?存分に泣かせてもらうが?」ニヤ シャーリー「へ?……あ、いや、冗談だぞ!ジョークさ!」 俺「わかってるって」 シャーリー「わかってないだろ、そのにやにや顔はなんだよー!」 俺「なんてことないって」 シャーリー「あ、こら、セクハラで少佐にいうぞ!」 俺「おい、それは反則だろう。シャーリーが言い出して―――…… 第5話後半部終了
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「娘の軌跡(むすめのきせき)」とは、ポケモンノベルにて掲載されている作品である。作者はネルフィー。 жжжжжжж目次жжжжжжж 概要 あらすじ 登場人物主要人物 データ 関連項目 жжжжжжжжжжжжжжжжжж 概要 ポケコン短編企画お題3『一番愛する場所』に投稿された作品。三人称と一人称。 ポケダン系統である。 あらすじ 夫と一人娘を失ったライチュウが娘の日記を紐解くことから物語は始まる。 レンギョウの種を持って秘密の日課を続けていた娘。だが、彼女は突如病に倒れてしまう。 そして、娘の死後、母であるライチュウが見たものは。 登場人物 主要人物 ライチュウ メスのライチュウ。下記のピカチュウの母親である。一人称は私。一人称部分の語り手の一人。 夫と娘を失い、悲しみの中で娘の日記を読むことに。 ピカチュウ ライチュウの娘。末期癌で死に至った。 母親であるライチュウにも秘密でとある場所に出かけること日課としていた。 病気が判明してからは日記を書くことが日課に変わる。一人称は私。一人称部分の語り手の一人。 データ 2011年2月1日公開 2011年2月6日編集 関連項目 ネルフィー
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英雄の軌跡 依頼主 :アルダシール(アジス・ラー X7-Y11) 受注条件:レベル60~ 概要 :アルダシールは、「人造精霊」を武器に馴染ませたいようだ。 アルダシール 「Nikuqさん、準備が整ったのですね。 それでは、次の工程に進みましょう! 「アニマウェポン」に宿った「人造精霊」は、 いわば、生まれたばかりの赤ん坊・・・・・・。 身体である武器に馴染ませなければ、 また、いつ魂が霧散しないともかぎりません。 そこで、「英雄の軌跡」なんです!」 ゲロルト 「「人造精霊」は今、武器と一体になっている。 つまり、「アニマウェポン」を使い熟していけば、 自ずと「人造精霊」は身体に馴染んでいくはずだ。 テメェは、英雄と呼ばれる女・・・・・・。 記憶に残る戦いの足跡を辿ってみればいい。 そうすりゃ、武器も戦いを知って、鍛えられるってもンだ。」 アルダシール 「・・・・・・待てよ、武器が鍛えられる? そうか、身体が鍛えられれば、 もしかしたら「人造精霊」そのものも成長することに・・・・・・! Nikuqさん! 「アニマウェポン」を装備して、あなたの旅の足跡を辿りましょう!」 ゲロルト 「そうさなァ・・・・・・。 古代の遺跡やら忘れられた廃墟やらを、10ヶ所ほど巡ってくりゃ、 十分に使い熟したと言えるだろうよ。」 アルダシール 「あ、あの・・・・・・俺も、一緒に行っていいですか? 「人造精霊」の様子を記録に残したいんです。 戦いはできないので、こっそり跡をつける形になりますが・・・・・・。 やった・・・・・・! ありがとうございます、Nikuqさん!」 ゲロルト 「それじゃオレは、武器を強化する算段を立てておこう。 英雄様が戦いの前線で使えないようじゃ、 ロウェナの求める商品には、ほど遠いからな!」 アルク・ミュジカル・アニマを装備し「氷結潜窟 スノークローク大氷壁」を攻略 アルク・ミュジカル・アニマを装備し「逆襲要害 サスタシャ浸食洞(Hard)」を攻略 アルク・ミュジカル・アニマを装備し「遺跡救援 カルン埋没寺院(Hard)」を攻略 アルク・ミュジカル・アニマを装備し南ザナラーンのアルダシールと話す アルダシール 「Nikuqさん、無事でよかった! 「アニマウェポン」に、何か変わった様子はありましたか? ・・・・・・なるほど。 やはり、そう早くは変化が見られないですね。 では、次の場所に行きましょう・・・・・・!」 アルク・ミュジカル・アニマを装備し「幻龍残骸 黙約の塔」を攻略 アルク・ミュジカル・アニマを装備し「武装聖域 ワンダラーパレス(Hard)」を攻略 アルク・ミュジカル・アニマを装備し「邪念排撃 古城アムダプール(Hard)」を攻略 アルク・ミュジカル・アニマを装備し黒衣森:南部森林のアルダシールと話す アルダシール 「お疲れさまです、Nikuqさん! Nikuqさんが巡る旅の足跡は、 どこも目を奪われる景色ばかりで・・・・・・。 なんだか、俺まで一緒に旅をしてきたかのようです。 「人造精霊」も同じように、 何かを感じて成長してくれればいいのですが・・・・・・。 どうでしょう? 「アニマウェポン」に、変化はみられましたか? ・・・・・・そうですか。 でも、「人造精霊」の魂は霧散していないんだ・・・・・・。 まだまだ、諦めてはいけませんね! さぁ、Nikuqさん。 次の場所に向けて出発しましょう!」 アルク・ミュジカル・アニマを装備し「廃砦捜索 ダスクヴィジル」を攻略 アルク・ミュジカル・アニマを装備し「霊峰踏破 ソーム・アル」を攻略 アルク・ミュジカル・アニマを装備し「邪竜血戦 ドラゴンズエアリー」を攻略 アルク・ミュジカル・アニマを装備し「強硬突入 イシュガルド教皇庁」を攻略 アルク・ミュジカル・アニマを装備しイシュガルド:上層のアルダシールと話す アルダシール 「Nikuqさん、お怪我はありませんでしたか? ここは、ずいぶんと大きな都ですね・・・・・・。 壮麗な建物ばかりで、くらくらしそうですよ。 ・・・・・・さて、ゲロルトさんから言われていた目安を、 すべて巡り終えましたね。 「人造精霊」は無事に身体に馴染んだのでしょうか・・・・・・。 なっ・・・・・・姿を見たかもしれないですって!? それが本当だとしたら、ソウルストーンに宿った「人造精霊」が、 完全に覚醒したってことですよ! こ、このことをゲロルトさんにも伝えなければ・・・・・・! 俺は、一足先にアジス・ラーに戻ります。 Nikuqさんも一息ついたら、 アジス・ラーに戻ってください!」 ???? 「・・・・・・ツ・・・・・・ハ・・・・・・?」 アルク・ミュジカル・アニマを所持しポート・ヘリックスのアルダシールと話す アルダシール 「Nikuqさん! 「人造精霊」との長旅、お疲れさまでした!」 ゲロルト 「このガキが興奮してまくしたてるもンで、 いったいぜんたい、何が起こったのかさっぱりだぜ・・・・・・。 まぁ、上手くいったってことだけは、わかったがな。」 アルダシール 「ちゃんと聞いてなかったんですか!? 「人造精霊」が姿を現したのかもしれないんです! つまり、完全に覚醒したってことですよ!」 ゲロルト 「だから、覚醒しただとか、難しいことを言われても、 何のことだかわかんねぇンだよ。」 アルダシール 「ですから、旅は成功して「人造精霊」は身体に馴染んだ・・・・・・。 それどころか、成長して幻体を形成した可能性もある! これは驚くべきことなんです! こ、こ、ここ、声が聞こえたんですか!? なんてことだ・・・・・・ それで、その声はどんな様子だったんですか?」 (「人造精霊」はどんな声だった?) (女性を思わせる囁きだった) (男性を思わせる囁きだった) アルダシール 「すばらしい! きっと、武器に宿った「人造精霊」が、使い手に語りかけたんだ! これを知ったら師匠も驚くぞ・・・・・・! この調子で成長を遂げたとき、どうなるのか・・・・・・ 今から、待ちきれませんよ!」 ゲロルト 「ガキの話はややこしくて、よくわからねェ・・・・・・。 ともかく、「アニマウェポン」を渡せ。 ここで準備していた材料で、武器を強化してやる。」 (アルク・ミュジカル・アニマを渡す) (キャンセル) ゲロルト 「おいおい、別に取り上げるってわけじゃねェンだ・・・・・・。 借金返済のために、少しはオレにも協力しろ。 ほら、さっさと「アニマウェポン」を渡せ。」 ゲロルト 「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・。 どうだ、少しは様になってきただろう! 名付けて、「アルク・ミュジカル・アウォーク」だ!」 アルダシール 「すごい・・・・・・なんて美しい光なんだ! これが旅を通じて成長を遂げた「人造精霊」の輝きなのですね! 「人造精霊」が幻体を形成したのなら、 さらなる成長の余地があるはず・・・・・・。 「煌めくアニマウェポン」を目指して、がんばりましょう!」